Flower Garden８

ひと夏の恋 ページ3

ここは夏恋の家。





「ねぇ、全然私には懐いてくれない…」




と言って晴美が
ふざけてウチの猫を追いかけ回していた。





「ちょ、、やめ…(笑)人見知りなんだって…多分。」




「いやいや！さっきまで伶菜さんにめっちゃベッタリだったじゃんー！！」





確かに伶菜には懐いていた。



3人で夏恋の家で
ゆっくりしていたのだが

急な仕事で帰る事になった伶菜を
玄関までお見送りした時

珍しく、しめじが
帰らないで〜！と足に擦り寄っていた。




きっと、
可愛がってくれる人を分かってるんだよね…(笑)




でも、それを言っちゃうと可哀想なので
心にとめておいた。


すると


「あーぁ…いいなぁ伶菜さんは皆から愛されて…」


なんて、
いきなりボヤき出した晴美。




なに言ってんだか。

そんなにウチの子が懐かない事がショックだったのか…？

と笑いがこみ上げる。




だけど…
なんだか申し訳ない気持ちになって


「いや…愛されてんじゃん晴美も〜」


と伝えた。
まぁ、実際そうだし。







するとチラッとこっちを見た晴美が

ずいっと寄ってきて

「えっ？誰が？例えば？？誰が私を愛してくれてるの？笑」

と目を輝かせて聞いてきた。





えぇー…

誰って聞かれるとなぁ…




誰だろ…




えーっと……




とりあえずーーー…




「あ…楓ちゃん！」



「え〜ほんとー？嬉しい〜////」



「うん！」



「…………。」



「…………。」



「………え？終わり？笑」






なんだよ〜…もーっ！1人かよ！！

と、うなだれている晴美が素直に可愛かった。




「いや、、あの、あれだよ！Flowerも！
…ってか皆…そう！皆から愛されてるじゃん！！」




と、さらに傷をえぐるような
とてつもなくザックリした返しをしてしまい





流石の晴美でも
眉を下げて笑っていた。









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