Rouge ２ (ページ2)

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誰もが息を呑んだ。
五条のその佇まいはまるで…

「歴戦の戦士のようだな。」
「貴女もそう思いましたか、理鶯。女王だとか女帝だとか噂されているが戦士と称した方があっているように思えます。やはり噂は噂にすぎませんね。」

凛々しく、堂々と、挑戦的な、でもって余裕のある笑みを浮かべて勘解由小路と駆け引きをする様はまさに歴戦の戦士。
これには4人も少し目を見開いた。彼女の知らない一面を感じていたからだった。

「ちッ‼覚えていろよ。お前たちなんぞすぐに潰せることをゆめゆめ忘れるな。」

勘解由小路が撤退の意を示した。誰も何も言わずに車に乗り込む党員達に人間味のなさを感じていると不意に勘解由小路が去り際にこちらを向いた。

「特にRouge、本当にカウントがZEROにならないといいなぁ？」
「ッ‼‼??どういうこと⁉」

五条の声色がここで初めて変化した。
Rougeという名の仮面が剝がれた瞬間だった。双葉梅でもなく、VioletFizzでもなく、五条Aとしての声がでた。

しかし、勘解由小路は鼻で笑うだけであって五条の問いには答えを示さなかった。

「「A……？」」
「「「「「「Rouge／さん……？」」」」」

五条の頭の中に中王区でなぎ倒していった党員達のアレがフラッシュバックした。
先程の言葉と言い、駆け巡る最悪な事態。

「あ、えぇ。大丈夫大丈夫。なんでもないから。」

言葉ではこんな風に言えても、実際五条の精神は狂ったように荒れていた。
まさか。ほんとうに？いやでも信じられない。
彼女の頭の中はこれでいっぱいいっぱいだった。あの党員達を、私は、公安に所属する降谷と諸伏の2人は知っている。だって、アレは…あの中王区通行許可証にかかれたあの名前は、かなり古参の公安所属の婦警と同姓同名だったのだ。

五条は公安にスパイらしき人物が潜り込んでいたことに激しく動揺していた。まだ、その可能性が高いだけであって確定しているわけではない。だからこれから、人員を割いて色々洗わなければ。

そんなことを考えるけれど、五条は泣きそうだった。
安全な場所が安全ではなくなった。
仲間だと思っていた人たち全員を疑わなければならない。

「(それに……もし彼女が私の監視をしていて今回の結果で私の周りに危害が及んだら最悪だ。)」

同期達、幼馴染、私の家族、それから4人と4人のかけがえのない仲間たち。
私の大事な人たちとその人たちの大事な人。

15名に対して五条の日常だけが薄暗い朝を迎えることになった。