第39話〜私の出来ること〜 ページ39
Aside
砂に覆われた街や何も育たなくなった土地
黄熱病により夜も眠ることも出来ない人々
そんな人たちを助けようと
イラーダさんは食料や水を届けたり
医務院を作ったりとこの国に自らの力を捧げていた
だけど、やはり
人間では限界があることを私は目の当たりにした
ファラハ)ちょ、おい！
A、行っちゃだめだ
伝えなきゃ、入っては行けないと言われた医務院に
私は足を踏み入れた
イラーダ)な、何をしているんですか
早く出ていきなさい
あなたもこうなりたくー
イラーダさんは急いで私を外に
連れ出そうとしたが
A)お願いです、どうか
この国でアメフラシをさせてください
私はその場で必死になって
頭を下げた
『いつまでも、お人好しなのね』
空はそう言って私を
小馬鹿にした
今までの経験からすればそう言われても仕方がない
だけどこの国の人たちを見捨てられなかった
イラーダ)わかりました、とりあえず
外に出ましょう
イラーダの許可を得て
私は大空に向かって歌った
『…風よ、雲を運び
…空よ、空気を震わせ届けておくれ
…大地を潤す、雫たちを』
A)…･.｡*･.｡*･.｡*･.｡*゜:。* ゜.｡・:＋°
イラーダ)雨が…こんなにも…
ファラハ)嘘だろ、
もっと、もっと
お願い、これだけじゃ足りないの
A)…･.｡*･.｡*…･.｡*･.｡*…っ、
歌い疲れ、私はその場で
崩れ落ちた
イラーダ)A！もう充分です
A)…まだ…全然…足りないよ
駆け寄ってきてくれた
イラーダさんに私はそう伝えると
イラーダさんは
私を急にお姫様抱っこした
A)ちょ、イラーダさん！？
そしてそのまま何も言わずに
医務院に入っていくと
目の前には驚くべき光景が広がっていた
それはさっきまでうなされていた人たちは
心地よさそうに眠りについていたのだ
イラーダ)あなたのおかげです
ありがとう、A
そう言ってイラーダさんは
頭を下げた
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作者名：神姫 | 作成日時：2017年12月4日 1時
