第19話〜信じれるなら〜 ページ19
キトラside
公国に雨が降らなくなってから
１週間が経った
ババがアメフラシを歌っても
何も起こらず、国の民たちは焦らず終えない状況にまできていた
そして、仕方なく
Aを呼び戻すことにしたのだ
俺はどんな形であれ
Aが帰ってきてくれることがとても嬉しかった
なのに、何故か
太陽王と名乗るガキを連れて帰ってきたのだ
Aの力を利用しようとしているに
違いない
そう確信した
そして今
そいつに俺は刃物を向けている
リヴィ)なんで、俺が名乗らなくては
ならないんだ
言わなくてもわかるだろ？
呆れた顔でガキは
溜息をつきながら言った
キトラ)じゃあお前はAをどうするつもりだ
力を必要としていないという
理由が出るまで俺はこの刀を下ろすつもりはなかった
リヴィ)国に連れて帰る
Aは俺のものだ
ますます、怪しくなった
俺は刀を強く握った
キトラ)…最後に聞く、お前はAの力が目的なのか？
リヴィ)…？
まさか、お前！Aのこと知ってるのか？
教えてくれよ
知りたいんだ、あいつの全てを
ガキは俺に頭を下げて頼み込んできた
俺は慌てて刃物をしまった
キトラ)…何故なんだ
Aのことを知ってどうするんだ
リヴィ)これから共に生きていく上で知りたいんだ
Aはどんな人生を生きてきたか
しっかりと理解してあげたい
その真っ直ぐな瞳に俺は
初めて信用することが出来た
キトラ)…ついてこい
そう言って俺はある人の元へ
ガキを連れていった
キトラ)ただいま、お時間よろしいでしょうか？
俺は扉の前でノックをし、そう
伝えると
静かにか細い声で
返事がして『どうぞ』と聞こえた
キトラ)失礼します、お連れしました
イラハ様
そう俺が連れてきたのは
ババの娘、現王妃のイラハ様のところだった
イラハ)あら、ありがとう
あなたが太陽王ね、随分小さいこと
信用出来る、そう思えたのなら
連れてきなさい
そう言ったのはイラハ様本人だった
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作者名：神姫 | 作成日時：2017年12月4日 1時
