第15話〜惨めな自分〜 ページ15
ニケside
あの心地よい歌は一体誰が歌っていたのだろう
私は今日も民衆のために歌を歌って
雨を降らした
だけど、最近
雨雲がかなり減っている気がする
農夫)これで今年も豊作だよ
子供)ありがとう、ニケ様！
農夫や子供たちは
私にお礼を言って話しかけてくれた
農夫)それに、あの時は助かったよ
嵐なんかきたら畑はめちゃくちゃだったからな
ニケ)いや、あれはー
農夫)改めてありがとうな
これ、お城に持って帰ってくれ
そう言って私にたくさんの農作物を
手渡してくれた
ニケ)あ、ありがとな
私はそれを持ちながら
城へ帰った
私じゃないんだけどな
そう思いながら空を見上げると1匹の伝書鳩が
私にめがけて突っ込んできた
ニケ)いった、何でこんな急に？
って、これはー
私はハトについている
手紙を取り、すぐに読んだ
『急な手紙で申し訳ない
公国で雨が消え、国中で勢力を上げてアメフラシを行ったが雲が戻らない』
『マナを連れて帰り、この国の混乱を鎮めておくれ』
この字はババ様の字だ
なんとかしなければ
私は急いでリヴィのところへ走った
そして、ひと通り説明をすると
すぐに手配をしてくれると言ってくれて
私はひとまず安心した
だけど、Aがどこにいるのか
わかっていない
一緒に眠っていたリヴィなら
わかるかな？
私はあの時のこと覚えているか聞いてみたが
リヴィ)あぁ、ニケがこの国を救ったのだろ？
やっぱり、知らないんだ…
あれは私じゃない
ニケ)やっぱり、何も知らないんだな
私はぼそりとそんなことを
呟いてしまった
リヴィ)もう用は済んだか？
なら早くこれをもってー
追い返されそうになったから
私はその声を遮って
ニケ)Aを一緒に探してくれないか？
私はリヴィが忙しいことも
わかっていた、だけど私一人の力では
どうすることも出来ずリヴィを頼る他はなかった
リヴィ)…一体何があったんだ？
リヴィは驚いた顔で
私の顔を見つめた
私は人を頼ることしか出来ない
自分が惨めで仕方なかった
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作者名：神姫 | 作成日時：2017年12月4日 1時
