♯001 最悪の出会い ページ1
Aside
『カニバリズム』
その定義は人が人を食することを意味する
自然界ではよくあることだが
現在の人間たちにとっては異常なことである
だからこそ、そんな人間が存在するなんて思ってもいなかった
彼に会うまでは…………
？)A〜♪
今日もかわいいね
A)もう、いつもそればかり
他に言うことはないの？色人(しきと)
私はいつも同じセリフにうんざりする
ぷいっとそっぽを向く私に
色人)ごめんごめん、だってA
俺の最高のタイプだから
これだけを聞くとすごく変態に聞こえるかもしれない
まぁ、変態には変わりないのだけど
色人が現れたのは、数日前の夜
出会いは最悪だった
私の両親を食べる目的で殺して、私も
殺そうとしたのだから
だけど、殺されなかったそして何故か住みついている
年は私より、きっと年上であるのだろう
普通の人間であれば、殺人者でましてや肉親を
殺されて、よく一緒に暮らせると思うのかもしれない
だけどそれは、普通の人の話で
私が普通かと聞かれれば、うなずくことは出来ない
色人)ねぇ〜
こっち向いて〜
A)んー、？
色人)わっ、綺麗な目！
やっぱりAの目は綺麗だな
綺麗な目…初めて言われた
心があったかくなる
A)…ありがとう、初めて言われた
色人)え、嘘！こんなに綺麗なのに？
あの夜、僕は君を見た時殺せなかった理由の
ひとつは、この綺麗な目かな〜
A)他にもあるの？殺せなかった理由
色人)あるよ、それはもうたくさん
そうなんだ、私の目はこの人から見れば
綺麗なんだ
茶色や黒に憧れた日々は
もう色人がいればどうでもよくなる
A)ありがとう、色人
私にそんなこと言ってくれるのあなたぐらいよ
そう微笑むと
色人は鼻血を出して何故か倒れた
やっぱり、変な人ね
私はクスりと笑い、鼻にティッシュを詰めてあげた
そして、洗面所に行き
鏡を見た
遺伝子の異常で、出てしまった
緑色の目、散々これのせいで苦労させられた
でも、色人が綺麗というのなら
私は茶色のカラーコンタクトを捨て、隠すことを辞めた
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作者名：神姫 | 作成日時：2019年6月11日 8時
