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第13話 大切な人だから ページ13

Aside






類の家に着いても
私の耳からこの言葉が消えることは無かった









『類に迷惑かけるな』







『あまり、迷惑をかけない方がいいんじゃないかな？』









わかってる、わかってるよ
私だって類に迷惑をかけたくない









類)A？大丈夫？








類は心配そうに私の顔を見た
そんな風に見ないで









私はもう涙は止められなかった
苦しくて、寂しくて
あなたを、求めずにはいられない









そんな私を見て
類は優しく私を抱きしめてくれた








類)…司に何かされたの？








類の言葉に私は
反応して顔を上げてしまった









類)やっぱりか…
俺の近くにいたらAはますます
嫌な目に合っちゃうね









そう言って類は
悲しそうな目で私を見つめた続けた









類)ねぇ、あの日さ
司に何て言われたの？









類の言葉に私は
もう我慢出来なかった









A)あの日ね、
類にこれ以上迷惑をかけるなって言われたんだ
つくしにも、









すると類は
急に目の色を変えて









類)牧野にも？










A)うん、学校で手続きをしてた時にね
類を驚かそうと思って黙ってたんだ
その時に類を振り回すなって言われたんだ
もしかしたら、嫌な気持ちになってるの
私じゃなくて類なんじゃない？









私の言葉に類は
急に顔を近づけてキスをした









それがあまりにも自然すぎて
反応が遅れてしまった









A)…え！？
急になに！？









類)んー…なんとなくかな？
俺さ、迷惑なんて思ってないから










そう言って類は
私の頭を優しく撫でた









A)そんなの、私もだよ
やっぱり迷惑とか言わないでね？











そう言うと類は
しっかりとうなずいて自分のつけていた
ネックレスを外して私につけた









A)ねぇ、これって
大切なものじゃないの？









類)うーん、だからこそ
Aに預かっててほしいと思ったんだけど
ダメかな？









私はこの日
初めて大好きな人から大切なものを預かった









A)わかった、大切にする









私はそう言って
ネックレスを優しく握りしめた

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