ロトビリック・ワールド【名前変換ｵﾘｼﾞﾅﾙ】 (ページ5)

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5話ページ5

｢お姉ちゃん？｣

｢っあ、え？どうしたの？カレナ？｣

｢あ、ううん。なんかちょっとボーッとしてたから。｣

｢あ、ご、ごめんね。｣

昔のことを思い出していたAは、自分がカレナと散歩していた事に気付く。

(でも、なんでお母さん、あの時トワベルさんとこと忘れてたんだろう？)

Aは、魔物が来たところからトワベルが家にくるまでの記憶がすっぽり抜けている。

それは、魔物が家に来たショックと時間が経った、という事が重なっての事だ。

｢...そういえば最近、“ドシア”、出ないね。｣

ふと気がついたようにカレナは言う。

ドシア、というのは、毛は黒く、目は赤い猪の事だ。

前はよく森から村に来ていたのだが、最近は滅多に出ない。

｢そうだねー。｣

村に来た時は全員家に閉じこもり、居なくなるまで待つ。

それは村の習慣のようになっていた。

｢ドシアも忙しいとかっ？｣

にへへ、と笑いながらカレナは言うが、正直Aは心配になっていた。

(仲間を集めて、一気に襲ってくるとかじゃないよね...？)

と。

ぎゅっとAはカレナとつないでいる手に力を入れる。

｢お姉ちゃん、大丈夫だよ。｣

訳も分からなかったが、不安そうにしているAにカレナはそう返す。

｢そうだよね、大丈夫だよね。でも、私がカレナを守るからね。いつでも頼って良いんだよ？｣

不安そうにしていた顔から笑顔に変わったAは、カレナにそう言う。

｢うん！｣

元気よくカレナはそう返事をした。