黒い袴の怪異さん (ページ12)

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じゅういちページ12

光サイド

「『良かったね！ミツバ！』」

え……………………？

ミツバは元の姿とは程遠く、折れた首は蝶番のようなもので支えられ目ん玉があちこちに付いていた。

とても不気味な姿だった。

するとさっきまでオレを抱いていた楠が

ふわっと浮いてミツバの上に乗った。

怒りがふつふつと湧いてきた。

ミツバをこんなにして………！

しかし、オレが怒鳴ろうとした瞬間、

司「七不思議は人と怪異の関係を正しく保つと言うけれど」

司「そんなものは必要ない。人も怪異も望むように在ればいいのさ」

花子に似た奴が口を開いた。

司「それで壊れちゃうような世界なら」

司「壊れた方がいいんだって」

司「そう思わない？」

……は？コイツ何言ってんだよ。

唖然としていると、楠がそれを馬鹿にするかのようにくすくす笑った。

『ミツバの願いは少し曖昧だったんだー』

”此岸に残って何をしたいのかわからない”

”でもこのまま終わりたくない”

”みんなの記憶に残りたい”

『…願いが曖昧だと、中途半端な怪異にしかしてあげられない』

『でも』

『今は違う。君のおかげだよ。源少年』

え

光「オレの…？」

司「そうそう。」

司「君はミツバの本当の願いを引き出してくれた。」

『願いや未練が強ければ強いほど怪異はより確かで強力な存在になれる』

楠が足を揺らしながら言う。

『ミツバの願いはね』

”友達が欲しい

”友達と一緒にいたい”

司「これから先もずっと」

え？ミツバの未練は確か…………

光「な…何言ってんだテメェ！」

光「ゴチャゴチャ言ってねぇで三葉を元に戻しやがれ‼」

光「それに三葉の未練は写真を撮ることじゃ…」

司「そーなのミツバ？」