あたしが私で私は？[おそ松さん] - パスワード認証

『俺たち六つ子なんだ！

俺があいつで俺たちが俺！』

テレビ画面の奥で高らかに声を上げるのは、大人気アニメのキャラクター。

長男である彼は救いようのないクズだけど、どこか頼れる、いざというときのヒーローだった。

次男はイタイけれど誰より兄弟を愛する人だった。

三男はガチのドルヲタで、童貞を拗らせまくってるけど唯一真面目な人だった。

四男は根暗で友だちもいないけど、人の気持ちを理解できる人だった。

五男は行動も言動も分からないけど、誰にも負けない優しさを持っている人だった。

六男は怖がりで、だけど兄弟一ドライだけど冷静な視点を持ってる人だった。

そしてこの兄弟には高校生の妹がいるのだ。

常に登場するキャラクターではないけれど、普通の代名詞のような少女だ。

顔は可愛らしいけれどこれといった個性もないような子。

「…好きだったな、これ。」

彼女は最後にそう呟いてテレビの画面を消した。

そうしてベランダに出て柵に手を掛けると

そのまま身を空中へと放り出した。

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このお話はご本人様とは一切関係ありません。
暖かい目で見て頂けると幸いです。