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学校から私たちがよく通うスーパーまで歩いて15分程度。駅のすぐ傍にある年季の入った建物が目印のそのスーパーは駅から近いということもあり、仕事帰りの社会人や周辺に住む主婦たちがこぞって通う。そしてまた私たちの財布に非常に優しいお値段をしているのだ。だから私は毎月、初めの週にスーパーに置いてあるチラシを必ず貰う。そのチラシにはお肉や野菜からお菓子に至るまでの安い日が書かれており私はそれを頼りに買い物の予定を立てるのだ。因みに今日は野菜の特売日。

 高校生とはいえど親元を離れて暮らしている私、日常生活に掛かる費用は当然全て私が出さなければいけない。学費に関しては助成制度があるため何とかなっているが、日常生活に掛かるお金は毎月突き詰めなければやっていけない。だから私は駅前のスーパーだけでなくその他にも日用品の安い薬局や冷凍食品の種類が豊富且つ周辺のスーパーより安くポイントも溜まるスーパーなど、この地域のそういった情報には詳しいと思う。割と主婦と肩並べられるくらいには。

 そして買い物に行くときは決まってローレンも着いてきてくれた。一度にたくさんの量を買うから一緒にいてくれるのは私としてはとても有難い。

「何買うか決まってる?」
「スマホにメモしてきた。取り敢えず野菜類はマストでしょ、あとは牛乳と卵も買うかな。」
「おけ。」

 学校からスーパーに近づくにつれて駅前ということもあり人の数はどんどん増えていく。きっとどの高校も今が下校の時間帯だし、何なら退勤時間の社会人とも被っている。そりゃあ人も多くなるわけだ。人の波に逆らうようにして歩いていく私たち、途中ローレンとはぐれそうになったが慌てて私の腕を引いてくれたことによりそれは防がれた。危ない、こんなとこではぐれたらもう見つけられない。

「大丈夫?」
「うん、大丈夫。ありがとう。」

 駅名の書かれた大きな入り口を越え、横断歩道を待つ。信号が赤から青に変わり、聞きなれた音楽が流れてくると同時に足を踏み出す。少し前を歩くリクルートスーツのお姉さんを見て、きっとあの人もこれから同じスーパーに行くんだろうなと思ってみたり。

 スーパーの前に到着し、自動ドアをくぐると聞きなれた店内音楽が耳にすっと入って来る。独特なリズム感を持ったそれに最初は何だこれ、と思ったものの慣れというものは素晴らしく今では特に何とも思わないようになってしまった。

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はるた。(プロフ) - purin1127yさん» コメントありがとうございます!自分ペースにはなりますがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします! (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 蝶形苺_DIAさん» コメントありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です😭 (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
purin1127y(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。無理しない程度に更新頑張ってください‼︎ (3月22日 3時) (レス) id: da4c80d9fc (このIDを非表示/違反報告)
蝶形苺_DIA(プロフ) - まっじでおもろい!小説家になれると思いますっ!更新楽しみにしてます😍 (3月19日 22時) (レス) @page47 id: b7f5c20393 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 継森さん» コメントありがとうございます!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます!誤字のご指摘もありがとうございました、訂正いたしました! (3月19日 22時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるた。 | 作成日時:2024年1月6日 22時

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