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「えっ、え?どいうこと、彼女がその、杠葉さん?」
「そう、加藤杠葉。」
「加藤、杠葉…」
「でもAは男だって言ってたんだよな?」
「あ、はい。特徴とかは?」
「外見は背が高いってことくらいしか。あとは…確か、落ち込んでたらジュースくれて、最近は一緒にご飯食べてくれるって言ってた気がします。」

 その言葉にはっとなったのはローレンだった。少し記憶を前に遡らせる。放課後、3組教室までAを迎えにいったときのこと。いつも飲んでいるオレンジジュースの紙パックをゴミ箱に捨てたAの姿。特に気に留めてはいなかったけれど、その時A以外にも旧校舎に残っていた人物がいた。それが見慣れない男子生徒だったことも覚えていた。

 ローレンは今でこそ1組に所属しているが、入学した当時は3組生徒だった。そして幼い頃の環境故に他人の顔を覚えることが早く、また記憶にも深く残るタチであったためクラスメイトの顔はちゃんと覚えていたのだ。そんななかで見た知らない顔、そして思い出す。


__ああ、彼ね。うん、転校生。


「…甲斐田さんのクラスにその女が転校してきた同じタイミングで、3組にも転校生が来てた。」
「えっ」
「ガチ?」
「名前までは知らないけど、俺が見たことない顔だったからそいつで間違いないと思う。」
「じゃあその子が杠葉『くん』、の方?」
「かもね。」
「その彼の名前が分からないと何とも言えないけど、関わってる可能性はなくはないよね。」
「色々見えて来たなァー…」

 同時期にやって来た2人の転校生、距離を近づけて来た女生徒、消えたA、分からないことだらけ、しかし少しずつその全貌が見え始めている。

「どうする?葛葉。」

 問われた葛葉の赤い瞳が、ほんの一瞬ぎらつきを見せる。

「…俺と社長、甲斐田で一旦学園戻るぞ。その男子生徒が何なのか調べる。その他はAのこと探してくれ。」
「分かった。」
「了解。」

 流石生徒会長とも言ったところか、彼の決定に全員が首を縦に動かした。そして不安を顔に滲ませるローレンの背を葛葉が力いっぱいに叩く。ばしんっ、と良い音を立ててローレンが痛みに呻き声を上げた。

「…絶ッ対ェ大丈夫だから。」
「…おう。」



__しかし、思っているよりももっと重大で、大きな秘密が隠されていることをまだ彼らは知らない。

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はるた。(プロフ) - purin1127yさん» コメントありがとうございます!自分ペースにはなりますがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします! (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 蝶形苺_DIAさん» コメントありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です😭 (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
purin1127y(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。無理しない程度に更新頑張ってください‼︎ (3月22日 3時) (レス) id: da4c80d9fc (このIDを非表示/違反報告)
蝶形苺_DIA(プロフ) - まっじでおもろい!小説家になれると思いますっ!更新楽しみにしてます😍 (3月19日 22時) (レス) @page47 id: b7f5c20393 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 継森さん» コメントありがとうございます!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます!誤字のご指摘もありがとうございました、訂正いたしました! (3月19日 22時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるた。 | 作成日時:2024年1月6日 22時

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