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ページ46

「どうでした?」
「いなかった。」
「多分だけど、土曜日から帰ってきてないわ。」
「は?」

 甲斐田の顔が歪んだ。勿論他の面々もそれぞれが表情を変える。

「でも連絡は取れてたんですよね?」
「それも別人だったかも。」

 ローレンは自分のトーク履歴を他のメンバーに見せる。そして彼らもまた、同じく違和感を感じ取ったらしかった。

「成程、メッセージで騙されてたってことか。」

 メッセージでは顔は勿論声だって分からない。しかし文章はその人物の特徴さえ掴めば容易く真似しやすい。見事にそれに騙され、今まで気づかなかったというわけだ。

「…探さないと、Aちゃんのこと、探さないと」
「甲斐田、落ち着け。な?お前が焦ってどうすんねん。」

 ふっと目から光を無くした甲斐田が呟くその声を不破が窘める。Aのこととなるとやはり途端に周囲が見えなくなるらしい。それほどまでに甲斐田のなかで彼女の存在が大きいということだ。

「その日Aってなにしてたか分かる?」
「バイト行ってた。」
「バイト…あれか、イブラヒムのバイト先と一緒なんだっけ。」
「ふわっちか葛葉そのバイト先分かる?」
「俺分かるで。」
「明日、放課後そこ行くぞ。」
「放課後じゃないと駄目なんですか。」
「甲斐田。」

 反抗するようにぐっと葛葉を睨みつけた甲斐田。Aを心配する気持ちは勿論分かる、それに葛葉自身も一刻でも早くAの元へと急ぎたかった。しかし、そうできない理由がある。

「俺ら全員が欠席したら、教師が怪しむだろ。そしたら動きずらくなる。それに明日は職員会議で午前で終わり、その後なら自由に動ける。」
「でも、Aちゃんに何かあったら、」
「甲斐田さん、Aも馬鹿じゃないんで。いざとなったら異能使ってでも自分の身は守りますって。」

 甲斐田を落ち着かせるように言葉を吐いたローレン、それでもまだ何か言おうとローレンを見た甲斐田だったがその表情に言葉を飲んだ。

 それは、あまりにも苦しそうな表情だった。甲斐田に向けたその言葉を、同時に自分にも言い聞かせているように見えて。生まれたからこれまでずっと、傍にいたAがいなくなった。その事実に誰より自分を責めているのは間違いなくローレンだった。拳をぐっと握り込み、その皮膚の色が変化している。しかしそれでも己を罰するように、力が緩められることはなかった。

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はるた。(プロフ) - purin1127yさん» コメントありがとうございます!自分ペースにはなりますがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします! (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 蝶形苺_DIAさん» コメントありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です😭 (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
purin1127y(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。無理しない程度に更新頑張ってください‼︎ (3月22日 3時) (レス) id: da4c80d9fc (このIDを非表示/違反報告)
蝶形苺_DIA(プロフ) - まっじでおもろい!小説家になれると思いますっ!更新楽しみにしてます😍 (3月19日 22時) (レス) @page47 id: b7f5c20393 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 継森さん» コメントありがとうございます!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます!誤字のご指摘もありがとうございました、訂正いたしました! (3月19日 22時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるた。 | 作成日時:2024年1月6日 22時

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