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「知ってる人だった?」
「いや、それが全く知らねえ奴でさ。なんか、全員仮面被ってたのは覚えてる。」
明らかに怪しい話だった。仮面を付けた人間が武器を手に持ちわざわざローレンを襲った。何か絶対に裏があるはずなのだ。
「何か恨み買うようなことした?」
「してねえよ!」
「じゃあ襲われる理由が分かんないんだ。」
ローレンが他人から恨まれる理由、そんなもの思いつくわけがない。可能性があるとするならば、過去Aを攫うために襲い掛かって来た大人たちを幼いながらに返り討ちにしたことくらいだ。しかしその人間たちが復讐にやって来たとしても、仮面の下にあった素顔は幼かったためその可能性はないともいえるだろう。恐らく自分たちとそう年齢は変わらない顔つきだったのだ。
「Aちゃんはこのこと知ってるん?」
「メッセージは送っといたけど、直接は会えてない。なんか体調悪いらしいんだよね。」
「えっ」
Aの話題となると我先にと反応するのが甲斐田である。ぐりんっ、と顔をローレンへと向ける。
「じゃあ、会いに行かないと。」
「今は駄目っすよ。」
「なんで。」
「俺らが旧校舎行ってたことも全部バレてんすよね?」
「え、何で知ってるん。」
「監視の為か知んないけど、カメラ付いてんだよ。」
「はい?監視?」
「3組の寮のところと、それから旧校舎に入る入り口。カメラ付いてて入ろうとすると教師が飛んでくるんだよ。」
「あー、なんか千里眼的な異能持ってる教師もいたよな?」
「クソ厄介やん。」
「だから今Aの周りに近づけない。」
ローレンの口から話された真実、そしてAと会えない現実に辟易していた面々。そんななか、空気を裂くように葛葉が取り敢えず着替えねえ?と声を上げた。ずっと考え込んでいても仕方ないし、考えたところで何かが変わる訳でもない。それにもやもやとした気持ちを少しでも何かで誤魔化せるようにとそれぞれが席を立つ。
そうしてしばらく、彼らは好きなことをして過ごしていた。しかし全員がリビングにいる光景を見て、どここが全員が不安を感じてしまっているのだと何となく察していた。
「湊なに見てんの。」
「んー?他校の友だちの投稿。」
「見ていい?」
「いーよ。」
不破の肩に顔を近づけてスマホを覗き込んだローレン、不破のスマホ画面には他校の制服を着た男女が数人映っている。
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はるた。(プロフ) - purin1127yさん» コメントありがとうございます!自分ペースにはなりますがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします! (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 蝶形苺_DIAさん» コメントありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です😭 (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
purin1127y(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。無理しない程度に更新頑張ってください‼︎ (3月22日 3時) (レス) id: da4c80d9fc (このIDを非表示/違反報告)
蝶形苺_DIA(プロフ) - まっじでおもろい!小説家になれると思いますっ!更新楽しみにしてます😍 (3月19日 22時) (レス) @page47 id: b7f5c20393 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 継森さん» コメントありがとうございます!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます!誤字のご指摘もありがとうございました、訂正いたしました! (3月19日 22時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるた。 | 作成日時:2024年1月6日 22時