・ ページ38
「は？ローレンが謹慎？」
生徒会室に葛葉の驚いたような声が響き渡る。同時に生徒会にいたメンバー全員の視線が突き刺さる。しかしそんなとは物ともせず、葛葉は話題を振って来た叶に顔を向けていた。
「らしいよ。ね？もちさん。」
「今朝担任から聞かされたんですけど、僕らも驚きましたよ。」
「理由は？」
「それは教えてもらえなくて。」
話題を振られた剣持が答える。週明けの月曜日、登校した剣持はローレンの席が空いていることに気が付いていた。しかし不良の気質がある彼は遅れて教室に入って来ることも多々あったため特段気にしてはいなかった。が、担任が朝のHRで今日の連絡事項をいくつか生徒に告げたそのあと、付けたすようにしてローレンの謹慎について話したのだ。その場で理由は説明してもらえず、ただ「ローレンが謹慎になった」とそれだけ言ったのだった。
「Aもいるのに彼奴が謹慎になるようなことするか？」
「な、それ俺も思った。」
「確かに、そうですよね。いつもAさんの横に引っ付いて離れないローレンさんですから。何をしたのか気になるところではあります。」
不破、そして加賀美がそう言葉を発する。少なからずここにいるメンバーは全員、Aがいるのに謹慎になるような真似をわざわざローレンがするものかと思っていたのだ。よっぽどのことがあったに違いない、尚更その理由が気になった。
生徒会室の扉が数回、ノックされた。
返事をするより前に入って来たのは、虹ヶ丘学園の学園長だった。にたにたと含みのある笑みを携えて入って来た学園長、一応の形式的に生徒会メンバーは立ち上がる。敬う心は何も持っていないが、ちゃんとしておかないと居座られる時間が長くなられても困る、と。
「1年1組、ローレン・イロアスくんが謹慎となった。話は聞いているかね？」
「詳しい話は、何も。」
「そうか。…彼は、
「はい？」
学園長の言葉には耳を疑った。異能の実力があるローレンは、同時にその異能を振りかざすことが力を持たない一般人にどんな影響をもたらすのか、そのくらいのことは分かっているはずだ。それなのに、どうして？疑問が頭を埋め尽くしていく。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1320人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるた。(プロフ) - purin1127yさん» コメントありがとうございます！自分ペースにはなりますがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします！ (3月23日 11時) (
レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 蝶形苺_DIAさん» コメントありがとうございます！嬉しすぎるお言葉です😭 (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
purin1127y(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。無理しない程度に更新頑張ってください‼︎ (3月22日 3時) (レス) id: da4c80d9fc (このIDを非表示/違反報告)
蝶形苺_DIA(プロフ) - まっじでおもろい！小説家になれると思いますっ！更新楽しみにしてます😍 (3月19日 22時) (レス) @page47 id: b7f5c20393 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 継森さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます！誤字のご指摘もありがとうございました、訂正いたしました！ (3月19日 22時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるた。 | 作成日時：2024年1月6日 22時
