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暗がりで見える彼の表情は、先程の緋八くんたちとの会話もあったからなのか少し怖く見える。しかし普段一緒にいてくれる人にこんな感情を抱くだなんて。そもそもあの話だってどこまで信用できるものかどうかも分からない。それにあれは同じ名前の違う人物だという線が濃厚なはず。…そのはずなんだ。

『学校のことで話したいことがあるんだけど、少しだけでいいから時間くれないかな?』

 ぐいっと突き付けられた画面にはそう書かれていた。

「あ、えっと、ごめん。今から人と会う約束してて。」

 私がそう伝えると彼は再びスマホ画面を自分の方に向け、素早く文字を打ち込む。それから私の方へ一歩、ずいっと足を踏み出すと画面を近づけた。

『少しだけでいいから、お願い。』

 正直、この後ローレンと2人きりで会うということが少し億劫ではあった。私一人がごちゃごちゃ勝手に考えて、勝手に悩んで、それだけのことなのに会いたくないだなんて究極に我儘なことを言っているのは分かっている。だけどこんな気持ちを抱えている以上、今まで通り接するなんてこと私に出来るのか怪しい。それに長年一緒にいるローレンだから、私の変化には人一倍敏感なことだろう。何かあったのかと問い詰められて、そのあと険悪な雰囲気になることなんて容易に想像がつく。私一人の問題なのに、周りを巻き込むわけにもいかない。

 だから少し、杠葉くんと話をして気持ちを落ち着けてから行こう。

「…5分だけなら、いいよ。」

 私の答えに杠葉くんは分かりやすく笑う。そして私の手を掴み、街灯のない路地を進んだ。しばらくした突き当たり、現れたのは古びたドア。看板には「closed」の文字。

「ここは?」

 問いかけに答えてくれる様子もなく、彼は私を中に招き入れる。私のバイト先とはまた違った雰囲気を纏うその場所は、何だか不気味だった。

 端に片付けられた机や椅子、カウンター席は少し埃をかぶっているようにすら見える。いったいこの場所が何なのか、杠葉くんとどんな関係があるのか。その情報が一切なかった。

「どうして私をここに連れて来たの?」

 私と少し離れた場所にただ立っているだけの杠葉くんは、持っていたスマホをポケットにしまう。


「__これで、ようやく独り占めできる。」


 初めて聞いた杠葉くんのその声に、妙に聞き覚えがあったのはどうしてだろう。疑問を感じると同時に、反転する視界。訳もわからないまま私の意識は闇へと引き摺り込まれた。

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はるた。(プロフ) - purin1127yさん» コメントありがとうございます!自分ペースにはなりますがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします! (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 蝶形苺_DIAさん» コメントありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です😭 (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
purin1127y(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。無理しない程度に更新頑張ってください‼︎ (3月22日 3時) (レス) id: da4c80d9fc (このIDを非表示/違反報告)
蝶形苺_DIA(プロフ) - まっじでおもろい!小説家になれると思いますっ!更新楽しみにしてます😍 (3月19日 22時) (レス) @page47 id: b7f5c20393 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 継森さん» コメントありがとうございます!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます!誤字のご指摘もありがとうございました、訂正いたしました! (3月19日 22時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるた。 | 作成日時:2024年1月6日 22時

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