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「ごめん、何か用事だった?」

 次の授業が移動教室であるため腕に教科書やノートを抱えた杠葉くんが、片手で器用にスマホを弄る。

『元気ない?何かあった?』
「ああ、心配かけてごめん。何もないよ。」

 そう声に出してはみたが、どうしても彼の不信感は拭えないらしい。表情変わらず何か考えるように私を見たまま、だけど次の授業の時間が迫っていることに気付き慌てて2人で教室を飛び出した。ちゃんと授業には間に合ったけれど、ぎりぎりに教室に入ったからと教師にねちねちと嫌味を言われたことは言うまでもない。







 ごちゃごちゃと色々頭で考えるようになって、加藤さんが生徒会メンバーと一緒にいるところをよく見かけるようになって、一方的に距離感を感じて、勝手に彼らをの差を改めて感じて、また考えて。面倒臭い思考回路からは中々抜け出せずに、夜一人になるともっと考え込んでしまうから早々にベッドに潜り込むことが増えた。無理やり目を瞑って何とか眠ろうと努力する日々。だけど眠りが浅くて学校で耐えきれず昼間意識を飛ばしてしまうことがあり、その度に教師に怒られて。

 異能も使えないくせに頭まで使えなくなったら終わりだぞ、なんて心無いことがばかりが投げつけられる。

「…A、最近寝れてねぇだろ。」
「どうして?」
「ここ。」

 生徒会の輪の中で着々と加藤さんの存在が根付いているなかでもわざわざ旧校舎に足を運んでここで昼食をとる彼ら。そしてそこには当たり前のように私を呼んでくれる。ああまだ、私をここに置いてくれるのかと安心すると同時にいつまで続いてくれるのかと襲う不安。ついにローレンに指摘され、目の下に触れた指に大げさに反応してしまう。

「何かあった?俺に言えない?」


「あっ!いたいた!みなさん、先生が呼んでましたよ!」


 ローレンからの質問に被るようにして開いたドアと同時に聞こえた明るい声。立っていたのは加藤さんで、彼女は可愛らしくぷくりと頬を膨らませ生徒会メンバーを呼ぶ。

「…それ、今じゃなきゃ駄目なんスか。」
「駄目だよ!ほら、早くしないと私が怒られちゃうもん!」

 ほらほら早く、教室まで入って来た加藤さんはさっさとローレンの食べていたパンをまとめ、他のメンバーも急かすように声を掛ける。まるで私なんて視界に入ってないみたいだ。いや、彼女からしたら本当に私なんて見えていないのかも。

・→←じわり、じわり



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はるた。(プロフ) - purin1127yさん» コメントありがとうございます!自分ペースにはなりますがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします! (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 蝶形苺_DIAさん» コメントありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です😭 (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
purin1127y(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。無理しない程度に更新頑張ってください‼︎ (3月22日 3時) (レス) id: da4c80d9fc (このIDを非表示/違反報告)
蝶形苺_DIA(プロフ) - まっじでおもろい!小説家になれると思いますっ!更新楽しみにしてます😍 (3月19日 22時) (レス) @page47 id: b7f5c20393 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 継森さん» コメントありがとうございます!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます!誤字のご指摘もありがとうございました、訂正いたしました! (3月19日 22時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるた。 | 作成日時:2024年1月6日 22時

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