じわり、じわり ページ26
「甲斐田くんまたプリント忘れてるよ！」
「こんにちは先輩方！えっと、異能実技のことで聞きたいことあるんですけど…。」
「あっ、授業サボったら駄目だよローレンくん！」
彼女＿＿加藤さん＿＿が生徒会室に顔を出してから数日私の知らないうちには彼ら生徒会メンバーとの距離を近づけていたらしい。それは彼女の特技なのか、意外とその場に馴染んでいて。しかし本来の形はこうあるべきなのだろうと、同時に考える私もいた。
生徒会メンバーの反応はというと、それもマチマチで。ただこれまでの集まって来る彼ら目当ての女生徒たちと違ったのは、彼女の行動には裏が感じられないことなのだろうと思う。私は生徒会準備室で細々と作業をしていたり、雑用の名目で他の教室にいくことも多いから彼女と関わる時間は少ないけれど加藤さんが取る行動には裏が見えない。
それは本当に裏がないのか、それとも本心を隠すのが上手いのかどちらなのか私には分からないけど。だからこそ、加藤さんが生徒会メンバーのうちの誰かに恋愛感情を抱いているから私が邪魔なのか、3組が生徒会と多少なりとも関わりと持っていることが気に入らないのかも分からない。だけどただ漠然と「嫌われている」という事実があることには変わりないだろう。
人に好かれるのは一種の才能であると思う。その才能を持っているのが加藤さん。持っていないのが私。扱いに差が生まれるのは当然のこと、それに異能を中心に見たこの狭い世界にとっても彼女が重宝されるのは当たり前と言える。1組所属なのだ、さぞ素晴らしい異能の持ち主なのだろう。
考えれば考える程卑屈な思考回路の沼にはまっていく。一度足を取られたら抜け出すのが難しく、さらに深く考え込んでいく。いくら考えようがどれだけ頭を悩ませようが突き付けられた事実は何も変わりはしないのに。
そもそも私なんかがこんなこと考えることが烏滸がましい。
ああ、きっと私は距離感を間違えた。友人は作らない、作った壁を壊さない。もう二度と悲劇を繰り返さないようにと固く誓ったあのときのことを忘れたわけじゃないのに。
私を沈んだ思考回路の沼から引き揚げたのは、とんとんと優しく私の肩を叩いた優しい手だった。振り向けば形の良い眉を下げた杠葉くんが立っていて。
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はるた。(プロフ) - purin1127yさん» コメントありがとうございます！自分ペースにはなりますがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします！ (3月23日 11時) (
レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 蝶形苺_DIAさん» コメントありがとうございます！嬉しすぎるお言葉です😭 (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
purin1127y(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。無理しない程度に更新頑張ってください‼︎ (3月22日 3時) (レス) id: da4c80d9fc (このIDを非表示/違反報告)
蝶形苺_DIA(プロフ) - まっじでおもろい！小説家になれると思いますっ！更新楽しみにしてます😍 (3月19日 22時) (レス) @page47 id: b7f5c20393 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 継森さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます！誤字のご指摘もありがとうございました、訂正いたしました！ (3月19日 22時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるた。 | 作成日時：2024年1月6日 22時
