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立ち上がったローレンは私の前に立ちふさがり、副会長は颯爽とその扉の前に向かう。他の生徒会メンバーも表情には警戒が滲み出ていた。それもそうか、つい先日会長のことがあったばかりなのだ。突然押しかけたその人は勝手な意見を押し付けて、他の人間の声を押さえつけその場を去った。その時のことがあるからこそ、彼らはこうして警戒しているのだと思う。

 副会長は扉に手を掛け少し開くと、尋ねて来た人物に笑顔を向ける。あ、私もよく知ってる怖い笑顔だ。笑顔の裏に隠された何かを察してからは彼が怖く感じていたが、副会長の本音や人となりをそれなりに一緒にいる時間のなかである程度理解したから以前ほど感じていた恐怖はもうない。

「どうしたの?誰かに用事?」
「あ、えっと、甲斐田くんに用事があって」

 人影は見えないが声からして尋ねて来たのは女子生徒だろう。突然出てきたのが学内でも有名な3年1組の生徒で、しかも生徒会副会長だなんて緊張するに決まっている。事実緊張を孕んだ声色は若干震えているようにさえ聞こえた。

「甲斐田くん?ちょっと待ってて。」
「あ、はい。」

「晴、呼ばれてる。」
「何だろ、てか誰…?」
「え、クラスメイトにその反応マ?」

 興味がないことにはとことん興味がないのが晴である。きっと晴のいまのこの反応だって、おふざけとかネタとかじゃなく、本当に誰か分からないからこそのもの。

 晴は呼ばれた通りに扉近くに歩いて行くと、なに?と問いかける。私はその間、今日の仕事は一体何がるんだろうかと考えていた。そういえば近く大きな職員会議があるとかで膨大な数の資料を作らなければいけないとか言われていたか。紙を一組ずつ組んで、ホッチキスで止めるだけの単純な作業。手が疲れることは目に見えているが、私一人だけの空間だし誰かに文句を言われながらやる作業よりよっぽどいい。

「あ、プリントか。ごめん、今持ってくる。」
「うん、ありがとう。」

 彼女と少し話をしてこちらにやって来た晴は座っていた足元に置いてあったバッグを漁っていた。何となく再び扉へ向けた視線、するといつの間にか生徒会室に顔を入れこちらを覗きこんでいた彼女とぱちっと視線が交わる。そしてその瞬間、表情が歪む。瞳の奥に僅かに見えた嫌悪の感情。

 ああやはり私はどう足掻いたってこの学園では嫌われ者の位置らしい。

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はるた。(プロフ) - purin1127yさん» コメントありがとうございます!自分ペースにはなりますがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします! (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 蝶形苺_DIAさん» コメントありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です😭 (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
purin1127y(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。無理しない程度に更新頑張ってください‼︎ (3月22日 3時) (レス) id: da4c80d9fc (このIDを非表示/違反報告)
蝶形苺_DIA(プロフ) - まっじでおもろい!小説家になれると思いますっ!更新楽しみにしてます😍 (3月19日 22時) (レス) @page47 id: b7f5c20393 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 継森さん» コメントありがとうございます!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます!誤字のご指摘もありがとうございました、訂正いたしました! (3月19日 22時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるた。 | 作成日時:2024年1月6日 22時

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