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「加賀美先輩はこれから生徒会室に？」
「ええ、でもその前に少し用事を済ませてきます。葛葉さんならまだ教室にいるはずです。」
にこりと人当たりの良さそうな笑みを浮かべた加賀美先輩は私が向かおうとしている教室とは反対方向に足を進めて行った。彼の背中を見送って、それからまた教室へ向かう。近づく度に大きく聞こえてくる声、それだけ聴けばただの青春を謳歌している高校生なのに蓋を開けてみれば内容なんて3組を馬鹿にしているような声ばかり。いい加減うんざりする。
辿り着いた教室、後ろのドアから中を覗いてみると机に体をぐでりと預けながらスマホを触っている会長と、その前の席に座り話をしている副会長の姿が。話に夢中なようで私に気付く気配はない。いつまでもここにいるわけにもいかないと、スマホを取り出して会長にメッセージを送る。
教室の後ろのドアにいます、文字を打ち込んでメッセージを送ればスマホを見ていた会長は目を見開き慌てた様子でばっと顔をこちらに向ける。つられるようにして同じく副会長もこちらを向いて、それから驚いたように目を丸くしていた。
彼らは席を立つと、クラスメイトの波をかき分けやって来る。
「おまっ、何でここにいんの？」
「それさっき加賀美先輩にも言われました。生徒会あることに気付いてたらわざわざこんなとこまで自分の足で来たりしませんよ。」
「…葛葉。」
「分かってる。荷物持ってくるから、ちょい待ってて。」
自分の席に戻ってスクールバッグを片手に再び戻って来た2人、今度は私を挟むようにして廊下に出た。
「もういいんですか？教室から出ても。」
「別に、HRも終わってたし生徒会始まるまで時間潰してただけだったから。」
「Aちゃんはどうしてここに来たの？」
「あ、そうだこれ。」
ポケットに手を入れ、約束の忘れ物を会長の掌に乗せる。
「おー、さんきゅ。」
「なに、忘れ物？」
「そう、昼休みに置きっぱだった。」
「そうなんだ。」
頭上で交わされる2人の会話を何となく聞きながら歩く廊下、さっきみたいに暴言を吐かれたりゴミを投げられることもない。変な視線がこちらに投げられることだってない。
…ああ、やはり、視線と言葉は人を選ぶらしい。救いようのない事実に、私は小さく息を吐いた。
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はるた。(プロフ) - purin1127yさん» コメントありがとうございます！自分ペースにはなりますがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします！ (3月23日 11時) (
レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 蝶形苺_DIAさん» コメントありがとうございます！嬉しすぎるお言葉です😭 (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
purin1127y(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。無理しない程度に更新頑張ってください‼︎ (3月22日 3時) (レス) id: da4c80d9fc (このIDを非表示/違反報告)
蝶形苺_DIA(プロフ) - まっじでおもろい！小説家になれると思いますっ！更新楽しみにしてます😍 (3月19日 22時) (レス) @page47 id: b7f5c20393 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 継森さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます！誤字のご指摘もありがとうございました、訂正いたしました！ (3月19日 22時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるた。 | 作成日時：2024年1月6日 22時
