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ローレンと2人、肩を並べて寮まで戻って来た私たち。私が夕飯を準備している間、少し散らかっていた部屋の片づけやお風呂掃除を率先してやってくれたローレン。俺料理出来ねぇし、やれることこれくらいしかないからといつの日だったか申し訳なさげに言ってきたことがあったが、ローレンがやってくれることはとても「これくらい」なんて言葉で片付くようなことじゃない。私にとってはどれも有難いことで、なんだか私が申し訳なくなってくるくらいだ。

 約束の通り生姜焼きを作り、何となくで点けたテレビを流し見しながら2人で食卓を囲む。有名人が出ているバラエティ番組を見ながら笑って、時折突っ込んでみたりして。あとは学校での話とか、最近ローレンが仲良くなった会長が実はどんな人だとか、楽し気に話す彼に相槌を打つっていた。

 ご飯を食べた後は、皿洗いをしてくれるというローレンの言葉に甘えて先にお風呂に入った。以前買った最近お気に入りの入浴剤も入れていつもより少し早めにお風呂から上がれば入れ替わるようにローレンがお風呂へ。その時にはバラエティ番組がいつの間にかクイズ番組へと変わっていた。カーペットにぺたんと座り、画面を見つめる。

 出題者が声を張り問題を出すそれに私も一生懸命考えてみるが、どうにも頭が足りなくてうんうんと唸るだけ。

「なに、なんでそんな唸ってる?」
「クイズ。分かんなくて。」
「えー?あー、…俺も分からん。」
「分かんないのね。」

 一応考えてみる素振りだけ見せて、しかしすぐに音を上げたローレンは喉の奥をくつくつと震わせた。そして片手にドライヤーを見せ、長い足でソファを跨ぐと私を自分の足の間に置いて髪を乾かしてくれる。だからそのお礼に、私の髪が乾いた後は私がローレンの髪を乾かして。

 自分の髪に無頓着で、髪なんてなんでもよくね?というローレンだが少ない生活費の中でもなんとかヘアケアを頑張る私と比較しても羨むほどには綺麗で。何もしなくてもさらさらと艶の良い髪を持つっているため正直私への皮肉かと思ったよね。

 指通りの良い髪にドライヤーをしていると、気づけばローレンの頭が不規則にかくんかくんと揺れていることに気付いた。

「ローレン、…ローレン?」

 ドライヤーが終わり声を掛けてみたが反応はなく、代わりにすぅすぅと寝息が聞こえていた。まだ幼さの残る寝顔、私は傍にあった毛布を手繰り寄せるとローレンに掛けて起きるまではこうしていようとスマホを手に取った。

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はるた。(プロフ) - purin1127yさん» コメントありがとうございます!自分ペースにはなりますがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします! (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 蝶形苺_DIAさん» コメントありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です😭 (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
purin1127y(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。無理しない程度に更新頑張ってください‼︎ (3月22日 3時) (レス) id: da4c80d9fc (このIDを非表示/違反報告)
蝶形苺_DIA(プロフ) - まっじでおもろい!小説家になれると思いますっ!更新楽しみにしてます😍 (3月19日 22時) (レス) @page47 id: b7f5c20393 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 継森さん» コメントありがとうございます!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます!誤字のご指摘もありがとうございました、訂正いたしました! (3月19日 22時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるた。 | 作成日時:2024年1月6日 22時

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