・ ページ13
「何なら行きます?コンビニ。」
一瞬迷ったような顔を見せたけど、すぐに顔を横に振って行かないわよなんてぶっきらぼうに呟いた。私の記憶にある制服姿とは打って変わって私服姿の現在、彼女はロリータ服を好むようでその格好も相まってより人形味が増していた。
それにしたってコンビニに用事もないのに一体どうしたのだろう。まさか、私の姿を認めたからわざわざこっちに来たというのだろうか。ええ?そんなことある?私のこと全力で襲ってきた人なのに?
頭のなかで1人会議が開催されるなか、しばらく対峙していた私たち。流れる沈黙に耐えきれなかったのか、息を吸い込んだその姿が見えたと同時背後で自動ドアの開く音がした。次の瞬間、ぐいっと後ろに引かれた体と同時に前に出る見慣れた背中。
「何の用だよ、お前。」
「あら、随分と過保護な
「質問に答えろ。」
見なくても声色である程度ローレンの表情が想像できるのはある程度長い付き合いがあるからだろう。
「帰るぞ。」
「え、ちょっと。」
腕を無理矢理取って彼女の傍を通り過ぎ、速足で過ぎ去るローレン。そんな私たちを再び彼女は待って、なんて声で止める。しかしローレンは聞く耳を持たずそのまま歩こうとした。
「止まって。」
「は?」
「いいから、止まって。大丈夫だよ。」
わざわざ私を止めたのだ、何か用事があるに決まっている。危険を感じているのか早く帰りたそうなローレンを収め、私は振り返る。ローレンはというと私の声に渋々足を止めてくれたけれど、その警戒心を解いてはいないらしい。現に今、後ろに下がるのではなく隣に並びいつでも攻撃に移せるような体制を取っている。こういう姿を見ると改めて私たちの関係性をありありと見せつけられているようで、なんだか胸がちくりと痛んだ。
「それで、なんですか?」
「…転校生、来たでしょう。」
気を付けなさいよ。
彼女の眼は真剣そのもの。それにしたって、転校生?現時点で私の知る転校生は2人いるんだけど…ああ、きっと晴のクラスに来た子のことを言っているのだろう。その子は女の子だと聞くし、あの後晴は面倒だが隣の席だから色々案内をしなくちゃいけないと愚痴を零していた。女の子と成績優秀、容姿端麗な生徒会メンバーが絡むと起こりうることはひとつ。恋愛がらみのいざこざである。
どういう風の吹き回しか知らないが、彼女は忠告してくれているらしかった。
1321人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるた。(プロフ) - purin1127yさん» コメントありがとうございます!自分ペースにはなりますがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします! (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 蝶形苺_DIAさん» コメントありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です😭 (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
purin1127y(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。無理しない程度に更新頑張ってください‼︎ (3月22日 3時) (レス) id: da4c80d9fc (このIDを非表示/違反報告)
蝶形苺_DIA(プロフ) - まっじでおもろい!小説家になれると思いますっ!更新楽しみにしてます😍 (3月19日 22時) (レス) @page47 id: b7f5c20393 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 継森さん» コメントありがとうございます!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます!誤字のご指摘もありがとうございました、訂正いたしました! (3月19日 22時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はるた。 | 作成日時:2024年1月6日 22時