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成程、今はチョコレートフェアをやっているらしい。新作と目立つシールの貼られたスイーツはどれもチョコレート系のスイーツ。私はそのなかでもチョコレートとフランボワーズの組み合わせのスイーツを手に取った。この組み合わせにハズレはない。それからホットドリンクのコーナーへ移動し、無糖の紅茶を手に取った。

「ローレン、決まった?」

 スイーツコーナーに戻って彼を姿を探すと、両手にスイーツを持ってどちらにしようかと唸っている姿を見つける。

「決まらない?」
「どっちも美味そうじゃね?」
「じゃあ両方買おう、ほら貸して。」
「え、ガチ?」

 私が声を掛けたことできらきらと輝いた瞳、幼い子どものようなその顔に思わず笑った私は、首を傾げる彼の手からスイーツを取ってまとめて近くのカゴに入れ空いた手で彼の腕を取る。スイーツを2つ買ってもらうのに飲み物まで良いのかと言うローレンに頷くと、真っ直ぐに緑茶に手を伸ばした。それからさっさとお会計を済ませる。

「なあ、トイレ行ってきて良い?」
「いいよー。」

 トイレを待つ間、一足先に外に出てみた。寒いから中で待っていても良かったのだけど、何となく冬の星空を眺めて見たくなったのだ。駅周辺とは違い人気のなくなったこの場所では街灯の数もそれほど多いわけではなく、顔を上げれば都会でも十分すぎるくらい星空が綺麗に見えた。もう少し綺麗に見える場所はないかと、上を見ながら少しだけ歩いてみる。離れすぎると怒られるから。


「ねえ。」

 突然、女性の声が聞こえた。ねえ、なんて声が聞こえたら例え自分じゃなくても振り返ってしまうのが私。星空を見上げていた視線を動かし、その声は一体誰のものかと探せば少し先に立っていた。暗がりでもよく分かるブロンドの髪、私より少し背丈の小さい海外のお人形のような彼女の姿を私は良く覚えていた。

「…何よ、そんな警戒しなくてもいいじゃない。」
「いや、するでしょ。」

 距離を取るため下がると、不貞腐れたようにそう言ったが私の行動は間違ってないはず。だって一度直接ではないにしろ痛い目見せられてんだから。私の目の前に立つ彼女は、何を隠そう加賀美先輩に一途に恋してた彼女である。

「えっと、コンビニに用事ですか。」
「私がこんなところで買い物するとでも?」
「ええ?便利ですけどねコンビニ。」
「そ、そうなの?」

 あれ、そこまで悪い人じゃない?もしかして。

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はるた。(プロフ) - purin1127yさん» コメントありがとうございます!自分ペースにはなりますがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします! (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 蝶形苺_DIAさん» コメントありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です😭 (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
purin1127y(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。無理しない程度に更新頑張ってください‼︎ (3月22日 3時) (レス) id: da4c80d9fc (このIDを非表示/違反報告)
蝶形苺_DIA(プロフ) - まっじでおもろい!小説家になれると思いますっ!更新楽しみにしてます😍 (3月19日 22時) (レス) @page47 id: b7f5c20393 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 継森さん» コメントありがとうございます!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます!誤字のご指摘もありがとうございました、訂正いたしました! (3月19日 22時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるた。 | 作成日時:2024年1月6日 22時

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