「転校生」 ページ1
転校生がやって来るらしい。その話を耳にしたのは、お昼休憩の時だった。初めは晴と私、時々ローレンの3人で使っていた教室もいつしか人が増えていまでは生徒会メンバー全員が入り浸るまでになっている。なんでここを溜まり場にするのだと疑問ではある。万が一にでも教師に見つかればぐちぐちと小言を言われるのは彼らの方なのに。それにわざわざ私なんかのところに来なくたって今まで通り生徒会室にいればいいのに。その方が自分たちにとってもリスクを負わなくても良いはずだ。
「そういや転校生来るんだって。」
「転校生？」
「そう。」
机にぐでんと体を乗せてだらしのない姿勢でいちごみるくを啜っていた会長が思い出したかのようにそう言った。成程、転校生か。入るクラスは何組だろう、1組かもしくは2組か。この学園に来るということだから異能者であるということは確実だけど、もしも3組に来るようなことになればと思うと心が苦しい部分はある。
私たちは入学したとき同じような境遇を受けるしかないクラスメイトがいたけど、これからやって来るであろうその子はだいぶと心が麻痺している私たちとは違う。暴言を吐かれ蔑まれ傷つくようなその様を改めてみるのはちょっときついかもな、なんて。私にもまだ良心は残っているのだ。
「あ、今日卵焼きあんじゃん。」
「食べる？」
「あ。」
「ジュース驕りね。」
「対価デカくね？」
「ほら。」
ローレンはどうやら私の作る卵焼きがお気に入りらしい。こうして一緒にお昼ご飯を食べるとき、毎回と言っていいほどお弁当箱を覗いては目敏く卵焼きを見つけるとこうして強請るのだ。まあ私も私で頂戴、なんて言われるとついあげてしまうんだけど。
「そんな美味しいの？Aちゃんの卵焼き。」
「ガチ美味い。」
「そうでもないと思うけど…。」
「僕も食べたい。」
「え？」
「Aちゃん料理上手だし、絶対美味しい。駄目？」
わざわざ私の座っている席の前までやって来てしゃがみ込み、こてんと小首を傾げる姿はなんとあざといことか。私じゃなければ堕とされていたと思う。元から美形な人だし、副会長って絶対モテるよね。現実逃避紛いのことをしている間にも副会長はずっと卵焼きが気になっているようでねーえー、なんて言いながら私の腕を軽く掴んだ。
「Aちゃん。」
「…分かりました、はい。」
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はるた。(プロフ) - purin1127yさん» コメントありがとうございます！自分ペースにはなりますがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします！ (3月23日 11時) (
レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 蝶形苺_DIAさん» コメントありがとうございます！嬉しすぎるお言葉です😭 (3月23日 11時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
purin1127y(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。無理しない程度に更新頑張ってください‼︎ (3月22日 3時) (レス) id: da4c80d9fc (このIDを非表示/違反報告)
蝶形苺_DIA(プロフ) - まっじでおもろい！小説家になれると思いますっ！更新楽しみにしてます😍 (3月19日 22時) (レス) @page47 id: b7f5c20393 (このIDを非表示/違反報告)
はるた。(プロフ) - 継森さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます！誤字のご指摘もありがとうございました、訂正いたしました！ (3月19日 22時) (レス) id: 1d5bdf50b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるた。 | 作成日時：2024年1月6日 22時
