psycho [TOP4] (ページ10)

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夜の仕事ページ10

ここに来てから数日。

それぞれの部屋の掃除以外は私がすべてやるようになっていた。

相変わらずレトルトさん、キヨさんとは必要最低限の会話しかしていない。

ガッチさんや牛沢さんにも完全に信頼されてるわけじゃなさそうだし。

この短期間で信頼してくれなんて方が難しいか。

「…ふう。」

ようやく風呂掃除が終わった。

汗で額に張り付いた髪を払って立ち上がる。

そんなみっともない恰好してんじゃねえよ、と渡された黒のワンピースと私の靴。

初めての綺麗な服で着るのが勿体なくて置いておこうとした私に無理矢理着せられた。

靴なんて履いたことなくてなんか気持ち悪いけど履いてないと怒られるから。

ちなみにガタガタの髪も器用なレトルトさんが揃えてくれた。

「あ、A。2人分の紅茶客間まで用意してくれる？」

「はい。」

お客さんか。ここに出入りする人はこの4人以外に知らない。

一体どんな人が来たのか気になりちち、ガッチさんに言われた通り紅茶を用意する。

ゆっくりと歩きながら客間を目指す。

2度ノックすると、中から牛沢さんの声がした。

「失礼します。」

「ん、ありがとうね。」

「いえ。」

「綺麗なお嬢さんじゃないか。」

「ええ、まあ。」

「君もここの仲間なのかい？」

「えっと…」

「そうですよ。」

返答に困る私に助け船を出してくれた牛沢さん。

「ほお、こんなにも綺麗な娘がヒトゴロシなんて、誰も思わないだろうね。」