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気が付けば一番近くにいた奴を殴り倒していた。
う、と腹を抱えて蹲ったそいつの髪を引っ張り首だけ起こして首に噛みつく。
力を一杯に込めれば自分の歯が刺さるのを感じた。
じゅるじゅるとそれを啜れば、どくん、と心臓が早くなる。
もういいかな、ごみを捨てるようにして掴んでいた男から手を放す。
「何ですか。」
「ひっ、」
「お前…何者だよッ？！」
「あなたに教えて何になるんですか。
いまから殺されるのに。」
「お前ら、殺れ！」
出来れば家を傷つけて欲しくないんだけど。
外に出ようにも玄関にたくさん集まっているから無理だ。
後でちゃんと謝ろう。
「よい、しょ、」
ぶんっと腕を振って頭に当てるとほら、もう動かない。
いくら私の方が強いからといってたくさんの人がいれば多少押されるわけであって。
なるべく家を傷つけさせないようにやってるけど、気が付けばリビングで戦うことになっていた。
「っぐぁ！！」
「うるさい。」
2人の人間の首に手を入れて持ち上げ、そのままテーブルに叩きつける。
見事に2つに割れたテーブルを見てやってしまったと思うけどもう遅い。
そういえば私ケーキ焼いてるじゃん。焦げてないといいなあ。
「っ、ひッ…」
「あのさ、怖がるくらいなら最初から来なきゃよかったじゃん。」
最後に残った一人。
「く、来るなあ！！！」
手に持ってる銃を手当たり次第に撃つ男。
それが私にあたるけど、生憎そんなものが通用する体ではない。
「何で、」
「もうここでお別れだし教えてあげる。私は実験体だ。」
ようやくここで私が手を出してはいけなかった物だと理解したらしい。
必死に許してくれと頼む男に、私は銃を奪って言った。
「ばいばい。」
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作者名：ミスト | 作成日時：2020年9月11日 23時
