psycho [TOP4] (ページ31)

今日:26 hit、昨日:17 hit、合計:114,288 hit

大きな子どもページ31

「どう、しましょう。」

「いいよ、あいつはほっとけ。」

「うん、キヨは一番でかいけど一番子どもだからね。

気に入らないことがあるとすぐ拗ねるんだよ。」

Aは悪いわけじゃないからね、と声を掛けてくれる牛沢さんとガッチさん。

レトルトさんは少し離れたところにいたけど、私の方に近づいて来た。

「お前さ、何者なの？」

「え…？」

「キヨくんは俺たちの中でずば抜けて身体能力が高い。

それは決して他のメンバーの身体能力が悪いわけやないってことはもう証明されてる。

なのにお前はその上をいった。

女で、キヨくんより明らかにリーチも短い。

いくら身体能力が高いって言うても普通に考えてキヨくんの攻撃を避けることは不可能や。

けど傷ひとつないお前は一体なんなの？」

いままで一番会話がなくて、私を嫌っているであろう彼が私のことを観察しすぎてて怖い。

「んー、私人よりも五感が鋭いんです。」

「どのくらいなの？」

「動物と同じくらいだそうです。ですからキヨさんの攻撃も鎌や足を振ったときの風の音で全部分かっちゃうんですよ。」

「すげえな、動物並みって。」

「そんないいものでもないですよ。」

「…ふうん、そう。」

聞いてきたくせに興味はないのか、レトルトさんも部屋を出て行ってしまった。