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フラフラとした足取りで受付に近づく。
話しかけるか、話しかけないか…。
そう悩んで約5分が経過した。
このビルに入ったは良いものの、エレベーターで事務所の方へ上がらないといけないし、それに"葛葉"の名を受付で出すのはちょっと怖い。
(誰か迎えに来てくれないかな…)
でも、誰に来てもらう?
叶さんはきっと葛葉くんに付きっきりだろうし、他に誰がいるのかも分からない。
というか知り合いなの叶さんだけだし…。
ドーラさんも会ったことあるけれど、あの喧嘩した時の1度しかない。
「どーしよ…」
不審者って言われないよね?大丈夫だよね?
段々と不安になってくる。
と、とりあえず葛葉くんに連絡しよう。
そう思ってスマホを取り出そうとすれば、その反動で紙袋が床に落ちてしまった。
「あー…」
最悪、と拾い上げようと屈むが、腰が痛くてピキッと動きが止まる。
(やば…腰、痛いんだった…)
もうダメだ、と諦めていたその時。
「大丈夫ですか?」
救いの一声が後ろから聞こえてきた。
「えっ?」
「あれ、その服……あぁ、よく見たら葛葉の」
「へ、あの、お知り合い…ですか?」
ワイシャツを着た男の人が、紙袋からこぼれた服を見ると納得したように私の隣にしゃがみこむ。
そして手を伸ばされて、どうぞ、と一言。
「立てます?」
「あっ…ありがとう、ございます」
お言葉に甘えて手を借りて立ち上がる。
(うーん…この人、どっかで見たことある…)
手を借りたまま、じっと目の前の人の目を見つめて考えてみるも、答えは出てこなかった。
「とりあえず上行きましょう。荷物持つんで」
「わっ…!ちょっ、悪いですよ…!」
少々強引に紙袋を奪われエレベーターの方へと歩きだした男の人。
慌てて着いて行って、同じエレベーターに乗り込んだ。
ちなみにこの方が受付の人に立ち入り許可証を見せていたから、すんなりと中に入ることが出来た。
本当にありがたい。
…それにしても、この人は誰なんだろう。
にじさんじの社員さん?それとも、ライバーさん?
うーん、と考え込んでいる間にエレベーターが目的の階に着く。
ポーンと鳴りながらドアが開くと、目の前に見覚えのある顔が1つ。
「あ、Aちゃん。それに社さんも」
…ヤシロサン?
なんか、どこかで……。
誰だっけ。
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hs - こんにちは!r18の作品のURLをコメント欄に貼ってもらえませんか?どうしても見れないので…これからも応援してます! (2022年9月17日 7時) (レス) @page50 id: 44092dc9d2 (このIDを非表示/違反報告)
春(プロフ) - のんちゃんさん» ありがとうございます! (2022年8月6日 23時) (レス) id: 35e1b11f9c (このIDを非表示/違反報告)
春(プロフ) - ルカさん» 恐らく年齢設定の問題だと思われます…。18歳以上だと見れると思います…! (2022年8月6日 23時) (レス) id: 35e1b11f9c (このIDを非表示/違反報告)
のんちゃん(プロフ) - スゥッ……久々にみた…てぇてぇ死んだ…………ありがとうございます┏┛墓┗┓ (2022年8月5日 8時) (レス) @page49 id: bbcbbc772c (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - 作品一覧を見ても全3件となっているのにr18の作品だけ非表示になってるんですけどどこで見れますか? (2022年7月16日 3時) (レス) @page27 id: 718c8c65a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年11月15日 0時