. ページ7
染めてるもんだと思い込んでいたのに、地毛だと言われても驚かない自分がいた。
改めて見てみると、そいつの白い肌や、綺麗な目や、唇の色にその髪は似合っていた。周りの人間にとっては変わっている髪色だったが、こいつにとっては逆にこれ以外考えられないくらい自然な色だった。
........その金糸はこいつの雰囲気に似合ったごくごく自然な髪だったんだ。
「分かる、変に思うよね、男で、地毛で、こんな色してたら………。」
肩ぐらいの長さの綺麗な髪の、毛先をいじりながらそいつは悲しそうに、自虐的に言った。
「そんなこと言ってねえだろ？そりゃ、珍しいのは確かだけど、悲観することじゃねえよ。」
「……俺のこと変だと思わないの？別に嘘つかなくていいよ、言われ慣れてるから。」
あぁ、なるほど。こいつの反応を見る限り、今まで変やら、何やら、いちゃもん付けられてきたみたいだ。
俺はAの方を向いて言った。
「変じゃねえ、似合ってるよ。お前みたいな綺麗な顔の人間に綺麗な髪がついてる。そういうこともあるんだろうなって思っただけだ。何も変じゃねえよ。………自信持てよ。個性的で綺麗な髪だと俺は思う。」
「……!!!!」
「それに、俺は人の見た目より雰囲気を見る人間だから、髪が金色なだけでお前が変だとは思わない。お前もあんまり気にすんなよ。.......あぁ、それよりさ、これから一緒に働くんだからもっと他のこと話して仲良くしようぜ。Aはシフトは何曜だ？」
俺らしくないことを口走ってしまった気がする。何だか恥ずかしくなったので顔をそらして意味もなくレジをいじり始めた。これ以上髪のことに触れる必要もない。(また)話題を変えよう。
「ｸﾞｽｯ。」
「...!?」
こいつ泣いてるのか！？
びっくりしてAの顔を覗いた。
Aは何か言いたそうに眉を寄せてで俺を見上げていた。そして、目にはだんだんと涙が溜まっていって、そして、
「お、おい、なに泣いてんだよ。」
「うぅ、だって、ひぐっ。」
涙はこぼれ、Aは小さく声をあげて泣き出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 519人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
haruusa(プロフ) - ゆきさん» ゆきさん、コメントありがとうございます！2章楽しみとのことで嬉しいです！頑張って準備しますので是非これからも楽しみにお待ちください😊 (12月21日 11時) (
レス) @page49 id: 027e976ee2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - はじめまして！第二章めちゃくちゃ楽しみです！更新楽しみにしてます！！ (12月20日 17時) (レス) @page49 id: 9d997c55ea (このIDを非表示/違反報告)
haruusa(プロフ) - ruru_chandayo00さんありがとうございます！そう言って頂けて死ぬほど嬉しいです🥹今書いている話は繊細に書きたいシーンなので時間がかかっています( т т )楽しみにして頂けると幸いです！読んで頂きありがとうございます💜 (10月25日 0時) (レス) id: 027e976ee2 (このIDを非表示/違反報告)
ruru_chandayo00(プロフ) - こんなに続きが気になる作品初めてです！楽しみにしてます！ (10月24日 10時) (レス) @page43 id: 9f9b345cea (このIDを非表示/違反報告)
haruusa(プロフ) - LunaLunaさん、コメントありがとうございます😭グクちゃん、はもう少し後に初出演予定なのですが匂わせしちゃいました((((もうすぐ他のメンバーが登場するので是非楽しみにしていて下さい！読んで頂きありがとうございます🙏✨ (10月13日 14時) (レス) id: 027e976ee2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うさうさ | 作成日時：2023年8月6日 23時
