＊ ページ32
『後で俺らから大事な話あるから、ご飯食べたらまた自分の部屋に戻ってきてくれへん？』
(大事な話ってまさか……廃部！？)
元々人数が少ない部だと昨日の部活中に大倉先輩が言ってたが廃部だなんて。いや、別に廃部って決まったわけじゃないんだけどさ……うん。
……でも私は、これを望んでいたんじゃないか。
強制的に入部されたようなもんだし、自ら望んで入ったわけでもない。それなのに………
(なんで、ガッカリしてるのよ)
まるで心にぽっかりと穴が空いたみたいだ。つい最近入ったばっかで楽器も作詞作曲も何にも知らないのに。いつの間にか先輩達といるのが楽しくってしょうがなくて。
ウザ絡みも鬱陶しいはずなのに。でも心のどこかで別に嫌じゃない自分がいて。
──これでいいんだ、そう自分に言い聞かせてぬるい味噌汁をかき込んだ。
***
ベッドでゴロゴロ、ゴロゴロ。加藤くんから借りていた本も読み終えて、本棚から小説を取り出して読む。それを何十回繰り返したことか。
まだご飯食べてるんだよね。後片付けとかも自分達でしてるんだろうし。それとも、廃部の事で話がヒートアップしてんのかな。
すると、コツコツと窓を軽く叩く音がする。窓を開けると丸山先輩がニコニコ笑いながら手を振っていた。
「下行くのもアレやし、俺の部屋で話そーってなってん」
「はい」
「……Aちゃん？元気ないけど、どうしたん？」
「いえ、なんでも」
「元気出してや。Aちゃん元気無かったら、俺寂しいで」
そういう丸山先輩も元気が無い。無理はしないで欲しい。丸山先輩は、元気が取り柄なのに。
「Aちゃん来てたんや」
「遅れてめんご」
「はぁーあ……」
「……俺、イヤやで」
「せやな。確かに嫌やなぁ、ほんまに」
「俺もやで」
みんなで輪になって部屋の真ん中に座る。雰囲気はどんよりしていて、天気に例えたら今にも大雨が降り出しそうな勢いって感じ。やめてよ、らしくないよ。
中々話し出そうとしない。たまらなくなって「あの」と声を上げた。
「大事な話って何なんですか」
「……もう、話すしかないみたいやな」
ゴクリと生唾を飲む。私も覚悟を決めた。さぁ、早く話して村上先輩……！
「──明日な、俺らでプール掃除やる事になったねん」
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サーさん(プロフ) - 音海さん、はじめまして！いつも読ませていただいてます！面白くていつも楽しみにしています！更新頑張ってくださいね！ (2020年4月27日 22時) (
レス) id: 2aa0ad98f1 (このIDを非表示/違反報告)
もりさん - めっちゃ面白いです、更新頑張ってください！雑愛されガールの方も見てます！ (2020年3月21日 9時) (レス) id: 85d63b0d59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音海 | 作成日時：2020年3月11日 16時
