賭け ページ4
うっ……会うのが気まず過ぎる。人が多い時に謝るのはどうかと思い、頑張って苦手な早起きをした。勇気を振り絞って教室に入ると、4人は既に教室にいた。
「おはよう、Aさん」
「……ごめんなさい。昨日、急に帰っちゃって」
「いいよ、気にしないで」
「俺らが無理矢理連れていったのも、あるしな」
「そうそう」
優しいが過ぎる。聖人のあまり涙しそうになると手越くんが「あ、でも」と思い出したように呟いた。
「あの人達は絶対何がなんでも軽音部に入部させるーって言ってたな」
「あぁ、そういえば言ってたな」
「……ウソ、でしょ」
前言撤回、やっぱり聖人じゃないです。
「なんで私なのよ……」
椅子に座り机に頭を預けて呟く。「ドンマイ」と増田くんが頭をポンッと置いた。
「言ってる場合かぁ………」
「ホントごめん……」
高校1年生になり2ヶ月経過。私の平穏な学校生活は一瞬にしてぶち壊された。何事も無く、このまま卒業できると思ったのに。
「Aちゃん、みーっけ！」
「やっぱりおった！」
悪魔の声が聞こえた。本能的に飛び起きて教室の扉を見やると、そこには昨日いた7人の内の2人がいた。
「俺、安田章大！よろしゅうな！」
「俺は大倉忠義。よろしゅうね」
「……なんで私の名前、知ってるんですか」
「まっすーから聞いた」
増田くんとは今日限りで友達やめよう。増田くんは両手を合わせて頭を下げていた。頭下げりゃ許してくれると思っているのだろうか。
「軽音部、入ってくれる気になった？」
「なりません」
「お！Aちゃん発見！」
「ラッキー！！」
「待ってしぶやん！最初に見つけたんは俺と大倉やで」
「そうやでマルちゃん」
何を朝っぱらから騒いでいるんだこの人達は。私はウ〇ーリーじゃねえんだよ。
「軽音部入ろうやー」
「嫌です」
「そっかぁー……なら、ゲームせぇへん？」
「は？」
キレ気味に返すと「Aさん仮にも先輩……」と加藤くんが小さめのボリュームで耳元で教えてくれた。嘘だろ、あの人達私より年上なのか。同学年だとばっかり思っていた。
「放課後までに俺ら全員に捕まらんかったら、入らんくてもええよ」
「……じゃあ、捕まったら」
「その場で即入部届け出してもらう」
絶対嫌だ。ただでさえ運動音痴の私が逃げ切れるとでもお思いで？
しかし今は非常事態だ。絶対、逃げ切らなくてはならない。
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サーさん(プロフ) - 音海さん、はじめまして！いつも読ませていただいてます！面白くていつも楽しみにしています！更新頑張ってくださいね！ (2020年4月27日 22時) (
レス) id: 2aa0ad98f1 (このIDを非表示/違反報告)
もりさん - めっちゃ面白いです、更新頑張ってください！雑愛されガールの方も見てます！ (2020年3月21日 9時) (レス) id: 85d63b0d59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音海 | 作成日時：2020年3月11日 16時
