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この余った12枚のクッキー……どうしたものか。お母さんは甘いもの好きだけどクッキーみたいな口の中がパサパサする系のお菓子は好きじゃないし、お父さんはスナック菓子しか食べないからなぁ。
(どうしよう……捨てるのはもったいないけど、もうこれ以上クッキーを食べようとは思わないし……)
「Aちゃん！」
「……丸山先輩？」
「そうやでぇ。Aちゃんもジュース買いに来たん？」
「はい」
待ちに待ったお昼休み。普段あまりジュースは飲まない方だが、時々ジュースが飲みたい時がある。今日はその日だ。
「……そんなに飲むんですか？」
「え？………あぁ、実はな、いつも軽音部のヤツらと食うてんねんけど、いつも食べ終わったらゲームやってるんよ。そんで負けて罰ゲームとして買いに来た。しかも俺の奢り」
「ご愁傷さまです」
「そうやろ？もっと労ってぇや」
(労う………あ、)
「先輩ってクッキー好きですか？」
「クッキー？好きやけど……なんで？」
「これ、入ります？」
スカートのポケットに入れてあった12枚入りのクッキーを渡した。後輩としてこれくらいの労いしかできないが、受け取ってくれるだろうか。
「Aちゃんの手作り？」
「今日授業で作りました。グループで作ったんですけど、ほとんど私が作りました」
「……っしゃあ！！ざまーみろ！！！」
全然元気がなかった先程の態度とは大違い。自販機の前をグルグル回っているのでただの変人と成り果てている。人が通ったらぎょっとするだろう。もう既に私がなっているが。
「いらなかったら同じクラスの人にでもあげてください。あ、でも捨てるのはさすがにやめてくださいね。食べ物もったいないんで」
「捨てんし誰にもあげん！このクッキーは俺だけのもんや！！」
ジャイアン的思考に陥っている。クッキー1つで人はここまで変わるのだろうか。
「もしかして……アイツらにも作ってある？」
「いいえ、先輩にあげたので最後です」
「よし！」
(よし……？)
「お礼にジュース奢るわ」
「そんな、悪いです」
「ええって！クッキーのお礼！何飲みたい？」
「じゃあ………メロンジュースで」
「はいはーい♪飲むもんも、ほんまにかいらしいなぁ♡」
ずっとニヤニヤしっぱなしの丸山先輩。そんなにクッキーが好きなのかな。
「ジュース、ありがとうございます」
「俺こそクッキーありがとうなぁ。また放課後な」
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サーさん(プロフ) - 音海さん、はじめまして！いつも読ませていただいてます！面白くていつも楽しみにしています！更新頑張ってくださいね！ (2020年4月27日 22時) (
レス) id: 2aa0ad98f1 (このIDを非表示/違反報告)
もりさん - めっちゃ面白いです、更新頑張ってください！雑愛されガールの方も見てます！ (2020年3月21日 9時) (レス) id: 85d63b0d59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音海 | 作成日時：2020年3月11日 16時
