＊ ページ12
「──はい、皆にあげる」
授業が終わって教室に帰る途中、私は4人にクッキーを渡した。
「いらなかったら、誰かにあげといていいから」
「そんな、まさか！」
「めっちゃ嬉しい！」
「ありがとう！」
3人はとても喜んでくれた。しかし加藤くんだけは、右手を後ろに隠して何か言いたそうな表情をしている。すると3人は何か察した表情を浮かべて「先戻ってる」と言ってその場を後にした。
「こ、これ、俺からも」
ぎこちないように、加藤くんも私にクッキーを差し出した。私の作ったのより、美味しそう。
「俺、すっっげぇ嬉しい。Aさんからクッキー貰えて」
「ううん。こちらこそ、加藤くんから貰えて嬉しいよ」
「……改めて、本当にありがとう」
「こっちこそ、ありがとね」
なんか……やけに嬉しそう。
♡♡♡♡)
「良かったね、Aさんからクッキー貰えて」
「授業中Aさんの方、ずーっと見てたもんな」
「見てねぇよ……」
「……シゲってさ、Aさんに対しては、まぁまぁ態度違うからな」
(態度が……違う？)
手越は何が言いたいんだろうか。俺が首を傾げていると「他の女の子だったら、すぐ苦笑いとかするのに、Aさんと話してる時はずっと素のまんまじゃん」と言った。
確かにAさんとは女子の中で1番仲が良い。でもそれは、一緒にいて疲れないだけであって、別にそういう気持ちを抱いているわけじゃない。
「別に、好きとかそういうんじゃないから」
「そうか〜？」
「シゲがあんなイキイキしてる顔、ひっさしぶりに見たけどな」
──4月の頭辺りは俺らに対しては妙〜に愛想が悪かった。でも手越のコミュ力のおかげで仲良くなれた。
愛想が悪かったのは、中学時代は女子校だった為男とどう話していいか分からなかったらしい。それが今も残っているのか、俺ら以外のクラスメイトの男とは上手く話せないままらしい。
「Aさんって、裏表なさそうだよな」
「確かに」
「それは分かるかも」
後ろの方を振り向くと、Aさんは友達と楽しくおしゃべりをしている。まっすーの言う通りで、本当に裏表はなさそうだ。
「告白するんだったら早めの方がいいと思うよ？」
「クラスの中でも結構可愛い方だし」
「付き合ったら教えろよ！」
「なんで付き合う前提なんだよ」
(Aさんに対しては……そんな気持ちじゃないのに)
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サーさん(プロフ) - 音海さん、はじめまして！いつも読ませていただいてます！面白くていつも楽しみにしています！更新頑張ってくださいね！ (2020年4月27日 22時) (
レス) id: 2aa0ad98f1 (このIDを非表示/違反報告)
もりさん - めっちゃ面白いです、更新頑張ってください！雑愛されガールの方も見てます！ (2020年3月21日 9時) (レス) id: 85d63b0d59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音海 | 作成日時：2020年3月11日 16時
