十六話:きょーいく的指導 ページ19
『あ、ユウー！』
お昼。ユウの姿を見つけたAは走りよった。
すると、他の生徒がユウたちに絡んでいるのが見えた。
『........で、どったの？』
ﾕｳ「いや、あの、グリムが先輩たちにぶつかっちゃって......教育的指導だとか......」
『なるほどねぇ。
んじゃ、すぐ問題を起こす君たちに、私もきょーいく的指導とやらをさせてもらおうかな。』
モブ「えっ、いや.......すいませんでしたァァァ！」
『うんうん、それが正解だね。
たぶん、もし引かなかったら、大怪我してたよー。』
ｸﾞﾘﾑ「え、笑顔で怖いこと言うんだゾ.......」
『あはは！ま、気をつけなよー。』
笑顔で去っていったAは、とある場所に向かっていた。
『やっぱり、帰りたいなぁ。』
そう呟いたAは、一本の木の前にいた。
目の前には、紅葉の木。
日本の暦では九月の今、葉は赤く色付き、ユラユラと風になびいていた。
『ごめんね、置いてって。』
苦しげなその言葉は、虚しくも誰にも届かずに消えていく。
ボーッと、目の前の木を眺める。
『なんか、味気ないなぁ。』
？？「なら買うなよ。」
『.....ジャミルかぁ。』
ｼﾞｬﾐﾙ「俺じゃ不満か？」
『いんや？で、どしたの。』
ｼﾞｬﾐﾙ「いや、お前が帰りたいって呟いてたのが聞こえただけだ。」
『あれま、聞こえてた？』
ｼﾞｬﾐﾙ「あぁ。いつもホリデーに帰ってるだろ。」
『うん。でもね、帰りたいのはそこじゃない。極東より、もっと遠くて行きづらい場所にある。
もう、多分帰れないよ。』
ｼﾞｬﾐﾙ「.....お前は、どこから来たんだ？」
『なんでさ。極東よりもっと遠くて行きづらい場所なんて沢山あるよ？』
ｼﾞｬﾐﾙ「いや、ない。本当に、どこから来たんだ？」
『......日本。きっと、もう存在しない国だよ。』
ｼﾞｬﾐﾙ「ニホン？」
『うん。』
そう答えたAは寂しげな雰囲気を纏っていた。
唯一見える口元は、僅かだが、歪んでいる。
『知ってるんだよ。帰れないって。だから、これを植えたんだ。三年で随分育ったなぁ。』
ｼﾞｬﾐﾙ「３年でこれか。なんかやったのか？」
『うん。ちょっと、魔法を使ってね。』
木の幹を撫でながら、Aはそう言う。
『あ！』
場にそぐわない明るい声に、思わずジャミルはみがまえた。
『やばい、次の課題終わってない！てなわけで、またね！』
ｼﾞｬﾐﾙ「あ、あぁ。
お前は、何を抱えてるんだか。」
十七話:救援要請→←十五話:追い出されたエースくん ＿真紅の暴君＿
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甘 - 見てらっしゃるかわかりませんが続き待ってます！！とても好きです！ (2022年12月15日 20時) (
レス) @page35 id: 5add37374b (このIDを非表示/違反報告)
蜃気楼 - 続き待ってます！！！！！！ (2021年12月10日 0時) (レス) @page35 id: c920434a9e (このIDを非表示/違反報告)
テル - 夢主かっけええ！ (2020年12月15日 6時) (レス) id: 99cceeea9b (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 流石呪術師。 (2020年12月14日 2時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - リリアを見下すという行為に走るとは思えません。作者様がそれらをわかった上で書いていらっしゃるのなら何も言えませんが、もしそれを知らないのであれば文章を直していただきたいです。長文失礼致しました。 (2020年11月10日 0時) (レス) id: 79a78e1cf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花陽 | 作成日時：2020年10月24日 23時
