十五話:追い出されたエースくん ＿真紅の暴君＿ ページ18
『え、マジで追い出されたの？ウケる。あ、写真撮るね。寮生に見せるー。』←
こんな人でなし発言をしているのは、楼A、十三歳。現在、ナイトレイブンカレッジ三年。
この発言は、エースの話が原因である。
とんだ人でなしだが言われて仕方ないのでエースは黙っていた。
『ひーっ、タルトのつまみ食いって！』
爆笑している。こいつは本当の悪魔である。←
人の不幸は蜜の味、とはよく言ったものである。
『いやぁ、笑った笑った。つまり、寮長のタルトを盗み食いしたら、それが見つかって首をはねられ、寮を追い出されたと。』
ｴｰｽ「そうなんですよ......横暴すぎませんか？！」
『まー、それはエースが悪いね。』
一刀両断。バッサリとAは切り捨てた。
エースはガックリとうなだれる。
『さ、早い方がいいさ。ハートの女王の規律、53条。盗んだものは返さなければならない。』
ｴｰｽ「え、そんな法律が.....」
『うん。まぁ、色々確認しときなよ。それじゃあねー。』
それだけ言い、Aは教室へ向かった。
ｴｰｽ「あの人に相談して正解だったのか正解じゃなかったのか分からない.....」←
朝、たまたま出会ったAに相談をもちかけたエースにとって、これはとても難しい問題だった。←
『だーれだ！』
図書室の前で、やや大きめな声が響く。
ﾘﾄﾞﾙ「え......え、あ、楼先輩？！」
『あったりー。』
ﾘﾄﾞﾙ「どうかしましたか？」
『んー、おつかれのリドルにこれを。』
手には無地の紙袋が下げられている。
差し出された紙袋を受け取ったリドルは、困惑した。
ﾘﾄﾞﾙ「これは.....」
『にしし！私手作りのマロンタルトです！』
その言葉に、リドルは目を輝かせた。
それをわかっていたかのように、Aはさらに話す。
『あと一時間でお昼だから、今じゃなくてお昼の時に食べなよ？まるまる一ホール作ったからみんなと分けてねー！
あと、無理しすぎないように！』
ﾘﾄﾞﾙ「は、はい！」
『よろしい！』
なんとA、授業の合間に二年生の教室まで来たのだ。
時間は有限、ということでAはそうしたのだが、些か目立つ。
まぁ、Aにとってはなにも気にすることではなかったのだが。
リドルはその後ろ姿をただ眺めていた。
ﾘﾄﾞﾙ「.....後で、トレイたちと食べよう。」
疲れ、険しいリドルの表情が緩んだ瞬間だった。
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甘 - 見てらっしゃるかわかりませんが続き待ってます！！とても好きです！ (2022年12月15日 20時) (
レス) @page35 id: 5add37374b (このIDを非表示/違反報告)
蜃気楼 - 続き待ってます！！！！！！ (2021年12月10日 0時) (レス) @page35 id: c920434a9e (このIDを非表示/違反報告)
テル - 夢主かっけええ！ (2020年12月15日 6時) (レス) id: 99cceeea9b (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 流石呪術師。 (2020年12月14日 2時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - リリアを見下すという行為に走るとは思えません。作者様がそれらをわかった上で書いていらっしゃるのなら何も言えませんが、もしそれを知らないのであれば文章を直していただきたいです。長文失礼致しました。 (2020年11月10日 0時) (レス) id: 79a78e1cf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花陽 | 作成日時：2020年10月24日 23時
