五十三枚目 ページ7
タンバルンの山奥
そこに山の獅子達が住む村がある
ゼン王子や僕はそこへ招待されて、今向かっている途中だ
『鹿月、本当に良かったの』
「いいっていいって」
鹿月は特に気にせず笑う
鹿月達を追いかけるために最短距離で行きたかったので木を渡っていたから、馬には乗らなかった
その結果、村に向かう際に困ることになった所を鹿月が乗せてやると言い出したのだ
「ただ……あの人がちょっと怖いけど…」
『?何か言った?』
「いやいや別に!!」
一方後ろの方では
「オビ、露骨に鹿月を睨みすぎだ。サクさんにも気づかれるぞ」
「……なんであんなガキにサクを取られなきゃならないんだか」
悪態をつくオビにミツヒデとゼンは呆れ気味だ
「お前はもう少し本音ってもんを隠せ」
「それは無理な相談ですねぇ、主?」
そんな会話が繰り広げられていたのをサクは知らない
ーー
夕暮れ時程になった時間に、村に到着した
武風が全ての事情を話すと村人達は海の鉤爪が落ちた事を喜んでいた
「海の鉤爪が落ちたぞー!!」
そう叫ぶ誰かの声に周りも喜びの声を上げる
『ここの熱気も相変わらずだな』
「サク」
ゼン王子に声をかけられる。隣には白雪もいた
「俺たちは奥でおっさんと話をしてくる。その間、ここの事を頼んだぞ」
「後でちゃんと手当するから、無理に動かないでね?」
『僕もそこまで馬鹿じゃない。傷の悪化は避けた「「サクだぁぁ!!」」っ!?』
後ろから誰かが僕に突進して来た
『痛い』
「おい久しぶりじゃねえかサク!!元気してたかよ!!」
「相変わらずしけた顔してんな!!」
『お前らうるさい。王子達が驚いてるだろ』
突然現れた男二人に王子と白雪はパチクリと目を丸くする
この男達の声で、僕の周りには人が集まってくる
「サクちゃん大きくなったわねぇ。元気にしてた?」
「おいサク、俺のこと覚えてるか?」
「美人になったなぁ〜。彼氏出来たか?」
次から次へと話しかけられて、対応に困る
嬉しくないわけじゃないけど
『武風!二人奥に連れてって!このままじゃ二人も巻き込まれるから』
「お?おぉ。お前さんは人気者だな。おーい鹿月!お前も来い!」
武風は鹿月を連れて、王子達と奥の方へ向かった
さて、これはどうしたもんか
『皆、宴の準備するんだろ?僕に構うのは後だよ』
なんとか皆を静めた頃には僕はもうヘトヘトだった
体力は極力使いたくなかったんだけど
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 298人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやや - いつも楽しみに読んでいます。これからも頑張ってください。応援しています。 (2016年3月25日 0時) (携帯から) (
レス) id: 4895b1970d (このIDを非表示/違反報告)
あおぐ(プロフ) - コメント失礼します。とても素晴らしい文章に感動しています。これからも更新応援しています、頑張ってください。 (2016年3月17日 19時) (レス) id: 846b37e79f (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - わかなさん» ありがとうございます!これからも頑張らせていただきます (2016年3月17日 11時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
わかな(プロフ) - 更新お疲れ様です！毎回楽しくてウハウハですｗ更新これからも頑張ってください！ (2016年3月17日 7時) (レス) id: d4ec265b43 (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 沢山のコメントありがとうございます!!新作の更新はもう少し構想を練ってから更新したいと思っています! (2016年3月13日 1時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：春月 | 作成日時：2016年3月4日 17時
