七十一枚目 ページ25
Side:Sirayuki
お風呂を出て、木々さんと共に先に出たサクを探す
途中でバッタリとゼンとオビにも会ったので一緒に
「あ、みっけ」
第一発見者はオビだった
流石というかなんというか…愛の力?なんてサクに言ったら怒られるかな
オビが示したのは二階にある、休憩場所の手すりにもたれ掛かる女性
確かにあの髪色とアホ毛な感じはサクだ、けれど…
「あれ?サクの他に誰かいない?」
「え?」
サクの近くには一人の男性がいた
知り合いかと思ったけど、サクの表情を見る限りそれはない見ない
「なんか、言い寄られてるっぽいね」
「「えっ!?」」
木々さんの言葉に思わずゼンと声が被る
サクが綺麗なものに対して言い寄るのは常日頃見てるけど、逆を見るのは初めてだ
「しかも相手、結構色男だよ」
「わぁ…サク、モテるね」
「あの野郎…気安く触りやがって…」
ぼそりと零したとても低い、唸る様なオビの言葉を私たちは聞き逃さなかった
いつも楽しそうな瞳をしている猫目は殺意でつり上がっている
「意外と、余裕がないのな」
「何しろ他でもないあのサクですよ主」
「どのサクだ。まあ、何となく察した」
『あ、白雪ー』
こちらに気づいたサクはひらりと手を振る
男性と一言二言話した後、サクは階段を一段飛ばしで降りてこっちに来る
『戻ってたなら声かけなよ。ミツヒデは風呂に行った?』
「あぁ、出くわしたぞ」
なら良かったと微笑むサク
その姿はいつもとはまた別の、色気のある女性の表情で思わず照れてしまう
(お、大人だ…!!)
髪を下ろしてたり、軽装だったりするからなのだろうか
一つ一つの仕草に色っぽさが含まれている気がする
お風呂上がりって凄い…!!
「あの男は?」
オビの顔はさっきと同じく険しいまま
ゼンに揶揄われて少しは気持ちが落ち着いたかと思ってたけど
『ん?あぁ、ただデートに誘われただけだよ』
「だけって…あんたね」
『君がいるのに了承するはずがないだろう?何、ヤキモチでも妬いたの』
サクはするりと腕をオビの首に回したかと思えば、自分の方に引き寄せた
その距離が凄く近くて、私達が赤面してしまう
『君もまだまだ、可愛いな』
「なっ…」
『おや照れた』
良いものを見た。という言葉を最後に身体を離す
「サク、凄いね…」
「オビを手玉に取れるの、サクだけなんじゃない?」
「ちょ、木々嬢!縁起の悪いこと言わんでくださいよ」
まだまだ、私には早い世界だったかもしれません
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あやや - いつも楽しみに読んでいます。これからも頑張ってください。応援しています。 (2016年3月25日 0時) (携帯から) (
レス) id: 4895b1970d (このIDを非表示/違反報告)
あおぐ(プロフ) - コメント失礼します。とても素晴らしい文章に感動しています。これからも更新応援しています、頑張ってください。 (2016年3月17日 19時) (レス) id: 846b37e79f (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - わかなさん» ありがとうございます!これからも頑張らせていただきます (2016年3月17日 11時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
わかな(プロフ) - 更新お疲れ様です！毎回楽しくてウハウハですｗ更新これからも頑張ってください！ (2016年3月17日 7時) (レス) id: d4ec265b43 (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 沢山のコメントありがとうございます!!新作の更新はもう少し構想を練ってから更新したいと思っています! (2016年3月13日 1時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年3月4日 17時
