壱ノ章 �� ページ7
「で、知ってどうするつもり?」
『どうもせん。白雪がよいと言ったならば、私はそれに従うまでじゃ』
白雪が白と言えば白、黒と言えば黒
狐狛は白雪の命令は必ず聞く。それが、誓約
「君は、どうして白雪と?」
『言ったじゃろう。助けられたと。白雪が見つけてくれねば私は死んでいたじゃろうからのう…』
「桜花の国、って言ってたよね」
桜花の国
ここより遥か遠い、海に囲まれた小さな島国
今、桜花は他国との交流を断ち切っていて、クラリネスでも、数多くは知らない
独特の文化を持っている。というぐらいだ
『あぁ。色々自国であってのう………逃げたんじゃ』
(国からも、自分からも)
狐狛はそれから、口をつぐんだ
ここから先は白雪以外には言えない事
ミツヒデ達はそれを感じ取って、それ以上は聞かなかった
「君は、本当に白雪が大切なんだな」
『うむ。唯一無二じゃ』
「…私たちも一緒だよ。ゼンが大事」
『そうかそうか…同じか。ならば、これ以上警戒すると返って無礼じゃのう』
狐狛はふ、とほころぶ
ここでようやく、心からの笑顔を見せた
「さてと、俺らの主達の様子を見に行かないとな」
「だね」
『そうじゃな』
少し開けた場所にゼンと白雪はいた
楽しそうに話している所を見ると、完全に気を許したようだ
『…うぬらも彼奴も、変わった王族じゃのう』
「そう?狐狛も十分変わってると思うけど」
木々が見る先は、つけ耳とファー
初対面であればそれが当然ではある
『触るか?毛並みはよいぞ』
興味が勝った木々は控えめに触る
すると少し目が輝いた様に見えた。少なくとも狐狛には
「もふもふ…」
『気に入ってくれた様で何よりじゃ。ほれ、旦那も触るか?』
「い、いや、俺はいい」
流石に女性に近づくのは避けたいのか、ミツヒデは全力で首を横に振る
そんな中、狐狛の耳にゼンの言葉が入ってくる
「赤ってのは運命の色のことを言うんだろ」
その言葉に白雪も影で聞いている狐狛も驚いていた
「今は厄介なだけでも、案外いいものにつながってるかもしれないぞ」
「す…すごい考え方するんだね…」
「おや?尊敬?」
「…白雪はやっぱり怪しい人じゃあなさそうだな木々?」
「それどころかゼンは相当気に入ってるね」
「捕まっちゃって災難かなー、白雪の方は」
(それは、ない。あの子にとって彼奴もよい薬になっておる)
狐狛は笑い、家へと戻った
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Mizuna(プロフ) - 何度も読み返しても本当に面白いですね！続きが読みたいです！ (2023年1月30日 15時) (
レス) @page46 id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - 私も終わりなんて嫌です！ 頑張ってください。応援しています！ (2017年3月22日 22時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - おわりなんてやですよ 頑張って下さい (2017年3月18日 10時) (レス) id: dcf699db89 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナタ - おもしろいです！次の話も気になります！がんばってください！ (2016年9月24日 12時) (レス) id: a4a064b62f (このIDを非表示/違反報告)
つねさん(プロフ) - 犬夜○…？春月サンの作品すごくいいです大好きです頑張ってください！！ (2016年7月30日 23時) (レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年3月20日 11時
