伍ノ章 �� ページ35
「なあ木々嬢。ミツヒデさんってまさかゼン王子に意見しないとか?」
唐突に雪で遊んでいたオビはそう尋ねてくる
純粋に疑問なのだろう
「木々嬢は要所で冷静に物を言うようだけど、相棒はちと甘くないかい」
「さあ、どうだかね」
オビの問いに木々は答えなかった
「狐狛嬢はどう思う?」
『今で均衡を保っておるのだからよいのじゃろう…それに私には旦那の方が怖いと思うがのう』
くすくすと笑って、狐狛は手作業をやめる
彼女もまた、雪で遊んでいたらしく、ちょこんと雪だるまが出来上がっていた
「これ、白雪?」
『うむ、正解じゃ。よくわかったのう』
「特徴をよく捉えてるからね」
「あんたって本当にお嬢さんが好きだよねぇ」
『当たり前じゃろう。愛い者を愛でるのは当然じゃからな』
狐狛は目を細め、白雪だるまをつつく
ピクリと、彼女は何かに気づいて遠くを見る
『来たようじゃな』
そこにはミツヒデの馬に乗った白雪の姿
彼女は降りるなり、ゼンに向かって状況を聞く
「患者は!」
室内に戻り、白雪は患者を見てからシュカに手当を施す
それと、経過も尋ねた
「薬は治療士が処方してたんですか?」
「は、はい、始めは…ですがこの時期の薬草では追いつかない…とかで。この人数ですし必要な種類がなくなってしまったんです」
「そうか…そうですね」
「………"追いつかない"?」
ゼンは首を傾げる
「寒い地域の薬草は薬効が低い分、量が必要になってくるからね」
「そういうものなのか?」
「慣れた人にとっては副作用の調節であえて使う貴重品なんだけど、薬室長がそうみたい」
「「へえー………」」
二人は感心した顔で白雪を見る
彼女は他に気づいたことはあるかとシュカに尋ねたが、外警備が多いシュカは申し訳なさそうに謝った
ゼンと白雪は一度広間を出る
『どうじゃった?』
「大分弱ってるなあいつ…」
広間の扉前で待っていた狐狛が尋ねるとゼンは険しい顔をしていた
「ゼン、ゼンはもう外に出ないと」
「!」
「倒れちゃまずいよ」
白雪がそう諭す
確かに彼は日没までと言われていた
「………もう少し残る」
「だからそれはまずいって」
『木々からも言われておったじゃろうに』
「俺は…寒いのが苦手なんだ!」
「適当言わない」
「おまえを呼んでおいて俺だけ出られるか!」
『それでうぬが倒れたら元も子もなかろう!』
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Mizuna(プロフ) - 何度も読み返しても本当に面白いですね！続きが読みたいです！ (2023年1月30日 15時) (
レス) @page46 id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - 私も終わりなんて嫌です！ 頑張ってください。応援しています！ (2017年3月22日 22時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - おわりなんてやですよ 頑張って下さい (2017年3月18日 10時) (レス) id: dcf699db89 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナタ - おもしろいです！次の話も気になります！がんばってください！ (2016年9月24日 12時) (レス) id: a4a064b62f (このIDを非表示/違反報告)
つねさん(プロフ) - 犬夜○…？春月サンの作品すごくいいです大好きです頑張ってください！！ (2016年7月30日 23時) (レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年3月20日 11時
