伍ノ章 �� ページ33
ーラクスド砦
「さて、着いたはいいが…」
「見張りの姿が見えないね」
「おおい!誰か居ないのか。近衛兵団の者だが!」
「お、お待ちを…!!あだっ」
誰かが返事をして、下に降りようとしたのだろうか。何やら色々落ちた音がした後扉が開いた
「ミ、ミツヒデどの!木々どの!でっ…殿下まで…!!!」
バンッと勢い良く開いた扉から出て来たのは若い、気弱そうな青年
彼はゼン達の姿を見るなり驚きを表す
「ここへ送った使者が帰らなくてな。迎えに来たんだ」
「……!だめです!!ここにいては、殿下まで戻れなく「主!大変だ。砦の中で兵達が皆寝てますよ!」
『…何か感染病でもあったみたいに皆顔色が悪い。というよりオビ、うぬは突然現れすぎじゃ。童が驚いておるじゃろう』
「えー」
城の周りの偵察をしていたオビと狐狛が帰ってくる
突然現れた彼女らに、青年は怪しげな視線を送る
「寝てる…?」
「でっ…殿下…この者たちは一体…」
『すまんのう。そこの若王子の従者をしておる、狐狛じゃ。挨拶もなしに驚かせてすまなかった』
「あっ、いや…こちらこそすみません…自分はシュカといいます」
二人が自己紹介をしている間にゼンは中に入ろうとする
「お邪魔するぞ」
「!!!いけません!!ここは恐ろしい魔物に取り憑かれているんです!!」
「「魔物…?」」
シュカの言葉に皆首を傾げたのだった
ー・ー・ー
「原因は…わかりませんが、20日程前から次々に皆、体の異常を訴え出したんです。体が重いとか、目の前が暗いとか…多くが平衡感覚を失っているようで、治療士も皆を見ているうちに倒れました」
広間にあった現状はあまりにもひどかった
兵全員がまったく動けずにいる
狐狛は兵全員を診て回る
「それに使いの方も…何か手がかりをと一晩留まられて…それで…」
「おまえは?さっき上から落ちてなかったか」
「じ、自分は皆ほどではないんです。ですがとても…雪道を下れる状態ではなく…」
「連絡が途絶えたわけか…」
ゼンはくるりと出口へ向かう
「少し中を見させてもらうぞ」
「!しかし殿下にまで何かあっては…」
シュカの言葉をゼンは頭に手をおいて静止する
よく頑張ったと言わんばかりに
「それでは意味がないからな、無理はしない。おまえは休め。よく堪えていてくれた」
「ー…はいっ!」
ゼンの優しい言葉にシュカは涙を浮かべながらも、返事をした
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Mizuna(プロフ) - 何度も読み返しても本当に面白いですね！続きが読みたいです！ (2023年1月30日 15時) (
レス) @page46 id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - 私も終わりなんて嫌です！ 頑張ってください。応援しています！ (2017年3月22日 22時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - おわりなんてやですよ 頑張って下さい (2017年3月18日 10時) (レス) id: dcf699db89 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナタ - おもしろいです！次の話も気になります！がんばってください！ (2016年9月24日 12時) (レス) id: a4a064b62f (このIDを非表示/違反報告)
つねさん(プロフ) - 犬夜○…？春月サンの作品すごくいいです大好きです頑張ってください！！ (2016年7月30日 23時) (レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年3月20日 11時
