壱ノ章 �� ページ4
『白雪、作り置きする薬はこれぐらいか?』
「うん。ありがとう狐狛」
出る準備を進める上で、今までお世話になった近所の方々に薬や手紙をしたためる
全ての準備が整った所で、白雪は鋏を取り出したかと思えば
ばさり
束ねていたリボンごと、髪を切った
『…白雪が大事にした髪を切らせるとはのう…やはりあの王子生かしてはおけん』
「あはは…せめて欠片で見飽きてくださいってことで」
お前に罪はないよ。と白雪は切った髪に小さく言葉を手向ける
狐狛にはそれが聞こえていたが、何も言わなかった
「狐狛、準備はいい?」
『うむ。大事な白雪と狐面、太刀があれば私は何処へでも行こうぞ』
「ふふ、じゃあ行こうか」
家の扉を開けて外へと出る
長い長い、家出の旅が始まる
ー・ー・ー
『白雪』
「なんでしょう」
『やはり、森に入る手前で休んだ方が良かったのではないか?私は平気じゃが、うぬは体力がそろそろ尽きるじゃろう』
「う"っ」
図星を付かれた白雪はぐうの音も出ない
森に入れば国境付近。つまりはほぼ隣国だ
白雪として今日のうちに入っておきたかったのだろが、事を焦りすぎた
「あ」
『おや、家じゃな』
ポツリとそびえ立つ家
もしかしたら人がいるかもしれないと二人は家を訪ねた
「すみません!どなたかいらっしゃいませんかー!?」
『返事がないのう。空き家じゃな』
「…今日はここまでにする?」
『そうじゃのう。ここで一休みするかのう』
狐狛は塀の隅に座ると白雪を手招きで呼ぶ
白雪は狐狛の所まで行き、彼女の足の間に座る
『ほれ、これで暖かいじゃろ』
狐狛は腰ついているファーを白雪にかける
作り物ではあるが、手触りと暖かさは心地いいほどだ
白雪は疲れていたのか、すぐに眠りについた
『……まさかこんな事になるなんてのう』
白雪の切られた髪をサラサラと触りながら、狐狛は少し眉を寄せる
自分を助けてくれた恩人が、今困り果てている
『必ず、うぬを安全な場所に…』
狐狛は白雪のフードを深く被り直して、自身も目を閉じる
朝方
人の声で狐狛は目が覚める
白雪も狐狛が動いたことによって目が覚めた
「ん…」
『白雪、動くなよ』
「…え」
狐狛は塀の上を見上げる
すると人が飛び越えてーー…
「でッ」
落ちた
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Mizuna(プロフ) - 何度も読み返しても本当に面白いですね！続きが読みたいです！ (2023年1月30日 15時) (
レス) @page46 id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - 私も終わりなんて嫌です！ 頑張ってください。応援しています！ (2017年3月22日 22時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - おわりなんてやですよ 頑張って下さい (2017年3月18日 10時) (レス) id: dcf699db89 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナタ - おもしろいです！次の話も気になります！がんばってください！ (2016年9月24日 12時) (レス) id: a4a064b62f (このIDを非表示/違反報告)
つねさん(プロフ) - 犬夜○…？春月サンの作品すごくいいです大好きです頑張ってください！！ (2016年7月30日 23時) (レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年3月20日 11時
