肆ノ章 �� ページ27
「今日も報告か?」
『うむ。私の当分の仕事はこれじゃからのう』
「そうだ、良かったら付き合ってくか?」
ミツヒデは自分か持っている木刀を軽く持ち上げる
稽古をしないか。そういう誘いだ
狐狛は暫し考えあぐねた後、笑顔で頷いた
『私で良ければ相手になろう』
「決まりだな」
「じゃ、俺とも勝負してもらうぞ」
ゼンが立ち上がり、木刀を肩にかける
何か企んでいる表情をしていた
「俺が勝ったら、名前で呼んでもらう。お前が勝てばオビの監視を解いてやる。これでどうだ?」
『ほぅ……悪くないのう』
狐狛はそばにいた兵に木刀を借りて、数度振り下ろして手に馴染むかを確認する
自身が持っている刀より軽い感覚がするのか、少し扱いづらそうだ
『東国の剣というやつは軽いのう…調子が狂う』
「そうなの?」
『刀を持ってみるか?』
腰に差していた太刀を木々に手渡す
ずしりと予想以上の重さに多少驚くそぶりを見せた木々に、他の兵も群がる
『落とさなければ好きにしてよいぞ。さて若王子、お相手願えるな?』
「あぁ、いつでもこい」
二人は向き合い、構える
先に地面を蹴ったのはゼンだった。彼は下段から剣を振り上げる様だ
しかし狐狛は刀を抜く様な構えをしたまま動かない
(……後5歩、4、3……)
「はぁっ!」
『っふ…!!』
ガンッ、カラン…
ゼンの木刀が飛び、地面に落ちる
その光景にミツヒデも木々も兵も、本人であるゼンも驚いていた
「今、何が…」
『…居合い斬り。相手方に近づかんと出来んがな』
狐狛は構えを解いて、木刀を兵に返す
自分の太刀を腰に差し直して、ゼンに向かってくふりと笑った
『私の勝ちじゃな?若王子』
「ぐっ…」
『まさか約束を違えるわけじゃなかろうな?男子たるもの二言はないと思え』
「仕方ない…約束は約束だからな」
ゼンはため息をつく
そういうわりには嬉しそうに笑っていた
「けど、狐狛凄いなー…早すぎて見えなかった」
『はっはっはっ、うぬらも練習すれば出来る。教えんがのう』
「意地悪だなー狐狛」
『なんとでも』
『オビ、出てよいぞ』
「はい?」
『釈放じゃ。城の中には居てもらうがのう。中でなら自由に動いてよいぞ』
「いや、狐狛嬢、ちゃんと説明してくれないとわかりませんって」
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Mizuna(プロフ) - 何度も読み返しても本当に面白いですね！続きが読みたいです！ (2023年1月30日 15時) (
レス) @page46 id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - 私も終わりなんて嫌です！ 頑張ってください。応援しています！ (2017年3月22日 22時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - おわりなんてやですよ 頑張って下さい (2017年3月18日 10時) (レス) id: dcf699db89 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナタ - おもしろいです！次の話も気になります！がんばってください！ (2016年9月24日 12時) (レス) id: a4a064b62f (このIDを非表示/違反報告)
つねさん(プロフ) - 犬夜○…？春月サンの作品すごくいいです大好きです頑張ってください！！ (2016年7月30日 23時) (レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年3月20日 11時
