参ノ章 �� ページ21
木を渡って数分
人の気配を察知した狐狛は静かに歩み寄る
先ほどと服装は違うものの、伝令を出した男で間違いないだろう
彼は周りの様子を確認しながら、静かに進んでいた
(……よく見れば彼奴は…)
考えても仕方が無い。と、狐狛は一気に男に詰め寄る
「!!」
微弱の殺気に気付いた男は、彼女の攻撃を紙一重でかわした
けれど狐狛はそれで終わらない
『ふっ…!』
「ぐっ」
避けた反動で重心を崩した男の腹部に蹴りを入れ、木から落とす
けれど男もなかなか身軽だ。悠々と着地する
しかし、彼女にとってそれはどうでも良いことだ
木の枝を助速台に使い、急降下する
ガキンッ
彼女の刀と彼のクナイが火花を散らす
そこで両者とも顔を確認する
「何者かと思えば、王子の友人か」
『あんな小童の友人になった気はさらさらないけど、な!!』
力づくでクナイを弾き飛ばす
危険だと感じた男は、後退する
「女の子がそういう物騒なの持ってたらダメだと思うな」
『そうか。なら、持たなければ良いんだな?』
「え"っ」
狐狛は刀を投げ捨てて、拳一つで男に向かう
完全に予想していた返答と違っていたのか、男は避けるタイミングが遅かった
「ぅぐっ」
ドシャッと男は転がる
狐狛はまだ戦闘体制を緩めない
『お前がどこの誰だろうが関係ない。大事なのは白雪に手を出したか否かだ』
「ストップストップ!もう何もしないって!」
流石にこれ以上の抵抗は危険だと察知した男は両手を上げて降参をする
『そうか』
「そうそう」
『じゃあ、眠れ』
「えっ……ガッ…!」
狐狛の回し蹴りが男の後頭部にヒットする
ドサリと、男は意識を失った
『あ、ちとやりすぎたかのう…』
殺気が解けた狐狛は人が変わったように、いつもの調子に戻る
投げ捨てた刀を仕舞い、男の様子を伺う
見事に気絶しているようだ
『やはり、うぬじゃったか…オビ』
顔を覆う布を少しずらして確認すると、狐狛にとって見慣れた顔だった
『さて、戻るかのう…』
よっこらせ、とオビを担ぎ上げる狐狛
その道の途中でミツヒデと木々に出くわした
「あ、狐狛、ここら辺で怪しい人を…って、えっ!?」
『おぉ、丁度よい。旦那、木々、土産じゃ』
「ぐぇっ」
ドサッとまるで荷物のように下ろす狐狛
その反動で彼は起きたが
「…なんか、私達が手を出さなくても良いぐらいボロボロ…」
『これでも加減はしたんじゃぞ』
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Mizuna(プロフ) - 何度も読み返しても本当に面白いですね！続きが読みたいです！ (2023年1月30日 15時) (
レス) @page46 id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - 私も終わりなんて嫌です！ 頑張ってください。応援しています！ (2017年3月22日 22時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - おわりなんてやですよ 頑張って下さい (2017年3月18日 10時) (レス) id: dcf699db89 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナタ - おもしろいです！次の話も気になります！がんばってください！ (2016年9月24日 12時) (レス) id: a4a064b62f (このIDを非表示/違反報告)
つねさん(プロフ) - 犬夜○…？春月サンの作品すごくいいです大好きです頑張ってください！！ (2016年7月30日 23時) (レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年3月20日 11時
