参ノ章 �� ページ20
『やはり、おかしいのう』
「うん」
外階段を登りながら二人は先ほどのやりとりを思い出す
もし入城許可の遮断がされているなら、城内の兵に止められるはずだ
運悪く兵に見つかってしまった二人だが、咎められることも追い出されることもなかった
それが疑問なのだ
「今日城を出たら、もう会いには来られなくなる…?」
そんな不安がよぎる白雪に
『そんなわけなかろうが。シャンとせい』
狐狛は背を押す
その言葉に、白雪は引き締める。弱音なんて吐いている場合じゃないと
『!!白雪!!』
「え」
狐狛が白雪を後ろに引く
同時に彼女が通ろうとした場所にガッと矢が刺さる
一歩間違えれば、白雪の頭に貫通していただろう
「どっ…どうして…城内に矢が……」
矢にリボンがつけられている事に気づく
そこに書かれていたのは
『なんと?』
「"赤髪と獣耳のお客人、その先一歩も踏み入る事なく立ち去れ"…って」
『…若王子に近づくなという警告か…にしては乱暴じゃのう』
矢が放たれたであろう場所あたりを睨みつける
狐狛の周りには殺気の念が渦巻いていた
『どうする?』
「…進むよ。ここには、ゼンがいるから」
白雪は矢を抜き、踏み出す
狐狛もそれに続く
『白雪、少し遠回りをしよう。なるべく、木のある方向じゃ』
「え?」
『どうせ、非難の声は侯爵か伯爵当たりじゃろう。だとすれば権力を使って裏稼業の連中に依頼をするのが定石じゃ』
「ということは…」
『"私と一緒"じゃろう。そういう奴の行動の仕方は大体わかる』
「…わかった」
暫く走り続け、外廊下に差し掛かった辺りで
「白雪!?狐狛!?」
探していた等の本人に声をかけられる
「ゼン!」
『…よい時間に通りかかったのう』
「おまえら、帰ったんじゃなかったのか」
「本、一冊忘れちゃって…」
二人に駆け寄ったゼンは、外に何かいる気配を察知した
『…ゼン』
「ん?………え?」
『白雪を頼むぞ。こっちは片付ける』
縁に足をかけ、二人を見ずに狐狛はそう告げた
白雪に手を掛けたことに相当キレているのが伺える
ゼンは彼女に初めて名前を呼ばれたことに困惑していた
『白雪、多少相手を殴ってもダメなどと言わないでくれよ?』
「………今回は許します」
『では、行って来るぞ』
狐狛はそのまま木を伝って、矢を放った張本人の元へ向かった
「…あいつ、今名前…」
「信頼、してくれてる見たいだよ」
「…そうらしいな」
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Mizuna(プロフ) - 何度も読み返しても本当に面白いですね！続きが読みたいです！ (2023年1月30日 15時) (
レス) @page46 id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - 私も終わりなんて嫌です！ 頑張ってください。応援しています！ (2017年3月22日 22時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - おわりなんてやですよ 頑張って下さい (2017年3月18日 10時) (レス) id: dcf699db89 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナタ - おもしろいです！次の話も気になります！がんばってください！ (2016年9月24日 12時) (レス) id: a4a064b62f (このIDを非表示/違反報告)
つねさん(プロフ) - 犬夜○…？春月サンの作品すごくいいです大好きです頑張ってください！！ (2016年7月30日 23時) (レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年3月20日 11時
