参ノ章 �� ページ19
ミツヒデはゼンを、狐狛は白雪を迎えに二人がいる部屋へと行く
ゼンの方は寝ている可能性が高いとのことで、扉を静かに開ける
部屋に入ると、白雪が薬学書を睨みつける勢いで読んでいた
「……」
『……』
((なんか入れ替わってる……))
そう感じずにはいられないほど、白雪からものすごいオーラが出ていた
『白雪、帰るぞ』
「あ、うん」
「二人とも、門まで送ろう」
「ありがとうございます」
『恩にきる』
その場のやりとりを望遠鏡で傍観する男が一人
不敵に笑うその顔はまるで野良猫のよう
「へーえ。あの赤髪と獣耳の子が…ゼン王子のご友人………ね」
家路についた二人は今日の夕飯の献立を考えていた
けれど、白雪が鞄の中から物を取り出す時に一冊本がないことに気がついた
「いけない!ゼンの所に本忘れて来ちゃった!」
『うぬは何処か抜けておるのう…人の事は言えんが』
狐狛はくすりと笑いながら、白雪と共に再び詩人の門へと引き返す
門番に事情を話すと、快く通してくれた
『本当に若王子の権力は絶大じゃのう…普通ならば突っぱねられるのじゃからな』
「確かにねー」
「何!?今後白雪どの達が来ても門を通すな!?」
「『!!?』」
門の方から悲鳴を上げるような声が聞こえてきた
二人は足を止めて柱に影に隠れ、様子を伺う
門番の前には一人の黒髪の男が何やら紙を提示している
「何故!?」
「白雪どの達のこの門からの入城は、ゼン殿下直々に客人として許可されているんだぞ!?」
「それは取り消された」
「え!?嘘!?」
「殿下より伝令だ
"白雪と狐狛の扱いに関し、臣下より非難の声が上がった為、これまで与えていた入城の許しは二度と無いものとする"」
男の言葉に白雪は息を飲む
自分のせいで彼が非難されているという事実に気づかなかったのだ
冷静に考えれば、一般市民の白雪と一国の王子が友人など考えられないのだから
「そんな急に…」
「以上、口を挟むなとのこと。ご決断された殿下のご心痛、お察しするよう、よろしくお願いする」
『白雪、ゆくぞ』
「え…?」
『あの男、どうもおかしい。それにあの若王子が私らに無断で入城許可を遮断するわけがなかろう』
狐狛は白雪を安心させるように笑う
白雪は、狐狛がゼンを少なからず信用していることに驚きながらも嬉しく思っていた
門番達が、先ほど白雪どの達をお通ししたばかりだ。と告げるのを合図に二人は走り出す
向かう先は、ゼンの元
ーー
やっとオビ出せた…
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Mizuna(プロフ) - 何度も読み返しても本当に面白いですね！続きが読みたいです！ (2023年1月30日 15時) (
レス) @page46 id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - 私も終わりなんて嫌です！ 頑張ってください。応援しています！ (2017年3月22日 22時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - おわりなんてやですよ 頑張って下さい (2017年3月18日 10時) (レス) id: dcf699db89 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナタ - おもしろいです！次の話も気になります！がんばってください！ (2016年9月24日 12時) (レス) id: a4a064b62f (このIDを非表示/違反報告)
つねさん(プロフ) - 犬夜○…？春月サンの作品すごくいいです大好きです頑張ってください！！ (2016年7月30日 23時) (レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年3月20日 11時
