弍ノ章 �� ページ15
『姫だけではなく私も…物好きな奴じゃのう』
けれど狐狛はひらりとそれをかわす
男はよろけながらも体勢を立て直して、再び襲いかかる
手には松明を持っていたため、それをよけるために狐狛は体を捻ったが
『!!』
壁に追い詰められた
「捕まえた…」
逃げられないようにと男は松明を狐狛の横に突きつける
「狐狛!」
『大丈夫じゃ。心配せんでもすぐ行こう』
焦る白雪に対して、狐狛は冷静だった
熱いともなんとも考えていないからだ
「なあ赤髪。こいつを助けたかったら俺の所に来いよ」
「なっ…」
「貴族やら王族やらに自分差し出せば安全だろ。守られながら贅沢もできる」
『姫!耳を貸すではないぞ!』
「うまい使い道だと思わねーか。なあ赤髪」
男の問いに白雪は
「私は、そんな道には興味ない」
「…!だからオレが連れてくんだよ」
『よく言った姫!それでこそ私の主人じゃ!』
「!!?あっづ…!!」
狐狛は笑って、男に炎を向ける
松明の炎ではなく、彼女が生み出した炎で
何が起こったかわかっていない男は言葉も出ない
『姫、この男の名は』
「あ、えと…巳早だって」
『では巳早、お引き取り願えるか』
「っ…誰が…!!ぐっ…」
剣を抜いて立ち向かう巳早の鳩尾に、狐狛は柄を打ち込む
呆気なく、巳早は倒れた
「白雪!狐狛!無事か…!!」
『おぉ小童。今しがた終わったばかりじゃ。遅かったのう』
ゼンが現れた
ここまで走って探したのか、汗が滲んでいた
狐狛は刀を肩にかけて倒れた巳早を一瞥する
「う、ぐ…へっ…護衛がいたのかよ…」
まだ意識があったのか、巳早は体を起こす
「なんだ。赤髪献上した先でオレがその役目貰って稼ぐ手も…あったのにさ」
「そんな事も…考えてたの?」
『手におえんのう』
「痛っ…そーだよ。地位とか家名とかだって、財を失えば素っ裸になるんだぜ。稼げるもん使って稼いでおかねえでどうすんの?」
「黙れ」
ゼンは巳早を一喝する
「この娘が、お前の目にどう映ってるかなんて、知りたくもないけどな
白雪はひとかけらだって、道具とされる為にはない」
その言葉に白雪は涙ぐむ
「……白雪ってーのか…」
「『その口で名前を呼ぶな/でない!!』」
「なんだよ。父さんと母さんかあんたら」
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Mizuna(プロフ) - 何度も読み返しても本当に面白いですね！続きが読みたいです！ (2023年1月30日 15時) (
レス) @page46 id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - 私も終わりなんて嫌です！ 頑張ってください。応援しています！ (2017年3月22日 22時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - おわりなんてやですよ 頑張って下さい (2017年3月18日 10時) (レス) id: dcf699db89 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナタ - おもしろいです！次の話も気になります！がんばってください！ (2016年9月24日 12時) (レス) id: a4a064b62f (このIDを非表示/違反報告)
つねさん(プロフ) - 犬夜○…？春月サンの作品すごくいいです大好きです頑張ってください！！ (2016年7月30日 23時) (レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年3月20日 11時
