弍ノ章 �� ページ13
二人は船に揺られた後、コトに着く
船着場をうろついていると、やはり赤髪が目立つのか周りが声をかけてくる
もちろん、狐狛にもだ
「はーっ嬢ちゃん達珍しい髪色してんなあ!!」
『ほう…私達以外に会った事はないのか?』
「俺ァ船乗りだから大陸中行くけどよ、赤いのにはあったことなかったぜー」
「ほー、大陸中ですか。いいですねー」
「何、赤髪!?」
また人が増える
「前にタンバルンで噂んなってたぜ。馬鹿王子が見惚れて掴み損ねた娘達が居るってよ!!」
『そんな噂がのう…』
「今日は何、観光かい?」
「…大体そんな感じです」
すっかり人気者の白雪と狐狛を遠くから眺める者が一人
その視線は決して珍しいだけの視線ではなかった
『白雪、ゆくぞ』
「あ、うん」
それに気づいた狐狛は周りを警戒しながら、白雪を促す
(何事も起こらんとよいのじゃがな…)
『白雪、これでよいか?』
「うんありがとう。しかし凄いね、この薬草の量」
『確かにのう。クラリネスが薬学に特化するわけじゃな』
コトの山は薬屋の店主が言っていた通り、多くの見たことのない薬草が群生していた
白雪は目を輝かせて、本を片手に薬草を探していた
『おや、こんな所にゼンマイが』
「薬草?」
『残念ながら山菜じゃ。こんな所に生えているとはのう』
狐狛は先が丸まっている草を一つ摘む
桜花の国に生えている一般的な山菜だ
「美味しい?」
『私は好きじゃな。持って帰って作ろうかい?』
「狐狛が好きなものは私も食べて見たいな」
『では、決定じゃのう』
狐狛は嬉しそうにゼンマイを摘んでいく
そんな彼女を見て白雪は微笑ましそうな顔をしていた
「じゃあ私、ちょっと向こう行ってくるね」
『うむ。気をつけるんじゃぞ』
この時、狐狛は忘れていた
「この山にまだ用事か?」
港で感じた怪しい視線を
「初めまして。あんたのその赤髪、役に立ちそうだね」
それにより白雪が危険にさらされてしまったことも
「え?」
トッ
白雪が狐狛の名前を呼ぶ前に意識はなくなった
『……?白雪?』
狐狛は顔を上げる
少し遠くにあったはずの赤い色が見当たらない
『っ……姫…!!』
狐狛は慌てて周りを探す。それでも見当たらない
そのことに彼女は焦りを感じていた
(やってしまった…!視線は感じていたというのに…!!)
彼女は走る。主人を探して、森を走り続けた
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Mizuna(プロフ) - 何度も読み返しても本当に面白いですね！続きが読みたいです！ (2023年1月30日 15時) (
レス) @page46 id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - 私も終わりなんて嫌です！ 頑張ってください。応援しています！ (2017年3月22日 22時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - おわりなんてやですよ 頑張って下さい (2017年3月18日 10時) (レス) id: dcf699db89 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナタ - おもしろいです！次の話も気になります！がんばってください！ (2016年9月24日 12時) (レス) id: a4a064b62f (このIDを非表示/違反報告)
つねさん(プロフ) - 犬夜○…？春月サンの作品すごくいいです大好きです頑張ってください！！ (2016年7月30日 23時) (レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年3月20日 11時
