弍ノ章 �� ページ12
『あ〜…暇じゃのう…』
狐狛はそうぼやく
彼女が今いるのは詩人の門
彼女の主人である白雪は、今はこのクラリネスの首都ウィスタルにあるウィスタル城内だ
少し遠出する為、ゼンに報告をとここまで足を運んだのだ
すぐ戻るからと、待てをくらった狐狛は暇を持て余していた
『のう、門番や』
「「はっ、はいっ!?」」
『ウィスタルはよい所か?』
「え、えぇ…城下も港も活気に溢れ、過ごしやすい国かと」
『そうかそうか。ならばよい』
狐狛は嬉しそうに笑う
白雪にとっていい場所か否か。それが彼女の最優先事項だ
「狐狛、お待たせ!」
『おかえり白雪……なんじゃ、若王子も一緒か』
「露骨に嫌そうな顔するなよ。二人を送り届けてやろうと思ってな」
『従者も連れてか?』
「よ、狐狛。おはよう」
いつの間にか大所帯だ
二人が行く場所は海を渡って行く、コトの山
薬屋の店主が教えてくれた、薬草が多く採取出来る場所の一つだ
「そういえば、狐狛は薬剤師なのか?」
『いや、白雪に言われて薬草は取るが、仕事はしておらん。タンバルンでは芸事をしておったがな』
「芸事?」
『私の舞は珍しいらしくてのう。月一で披露してたんじゃ』
「すっごく綺麗なんだ〜」
「へぇ、それは是非ともみたいな」
『それはまた別の機会じゃのう』
狐狛はくすりと口元に手を当てて笑う
そして話は再び、白雪の話に戻る
薬剤師である彼女は、薬学の勉強をしている
その理由として
「…募集要項」
「目指すことに決めたんで、報告」
白雪はゼンを真正面から見つめる
その表情は何にも揺るがない意思があった
「宮廷薬剤師。城門をくぐる理由がいつまでも客人じゃかっこつかないでしょう」
「なるほど。今日みたいに白雪と城内で出くわすってのも面白いかもな!」
ゼンは楽しそうに笑う
『白雪、船の時間じゃ。行くぞ』
「あ、はーい」
狐狛に呼ばれ、白雪はゼン達と別れる
それを見届けた狐狛は一人、ぼそりと
『……私だけ、迷子じゃのう…』
白雪が行きたい場所を見つけたのだから、狐狛も同じく進むべきだ
だが、彼女はまだこの国とこの国の王子を信じ切ることができていない
白雪の様にはいかないのだ。けれど、その時間はあまりにも短い
『早急に答えを出さねばのう…』
「狐狛?」
『なんでもない。さぁ行こう』
ーー
お気づきの人もいるでしょうが桜花の国とは日本の事です
クラリネスって、アニメの料理見る限りスペインなのかなーって思ってます(個人的な意見)
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Mizuna(プロフ) - 何度も読み返しても本当に面白いですね！続きが読みたいです！ (2023年1月30日 15時) (
レス) @page46 id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - 私も終わりなんて嫌です！ 頑張ってください。応援しています！ (2017年3月22日 22時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - おわりなんてやですよ 頑張って下さい (2017年3月18日 10時) (レス) id: dcf699db89 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナタ - おもしろいです！次の話も気になります！がんばってください！ (2016年9月24日 12時) (レス) id: a4a064b62f (このIDを非表示/違反報告)
つねさん(プロフ) - 犬夜○…？春月サンの作品すごくいいです大好きです頑張ってください！！ (2016年7月30日 23時) (レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年3月20日 11時
