八枚目 ページ10
「サクさん、痛いんですが」
『はあ?騎士が何言って、』
「いや、キャンバスの角が脇腹に刺さって…」
『それはごめん』
南の島を後にして、王城に帰る道中
例のごとく僕はミツヒデの馬に乗っている
『見えてきたね。城』
「あぁ」
『白雪に会えるね』
「茶化すなサク」
ーー
城に入って暫くした所で、オビと白雪が歩いてるのを見つけた。こんなところにくるなんて珍しいなと思ったけれど、ゼン王子がしたことを考えれば行動がフラフラするのも仕方がないか
白雪を見つけた時のゼン王子の顔と言ったらもう…
「白雪ー!」
二人はビクリと肩を揺らして、白雪はオビの背に、オビは両手を上げてこちらを向いた
(今、オビ…)
「あ、あれ、主達!お早いおかえりで」
「いや?予定通りだ。お前らこそどうした?こんな所まで出て」
会話を聞きつつ、僕は馬を降りる
ここからは歩いて帰れるしね
「…白雪?」
ゼン王子が不思議そうに、オビに隠れている白雪の名を呼ぶ
多分恥ずかしいんだろう。が、ゼン王子は何故そんな態度なのか分かっていない
そうした当事者なのに
「よしっ、お嬢さん逃げろ!」
「は?」
「えっ?」
「いいから早く、森まで走れ!」
オビの声で森へと走って行った白雪
「な、なんだ…?」
「はははっ、逃げちゃいましたねぇ」
「お前が言ったんだろ」
「俺が?嫌だなぁー………あんたがそうさせたんでしょ?主」
オビの挑発的な表情に、ゼン王子はどう思ったのか
彼は馬から降りて、森の中へと入って行った
『……うまく行くといいね』
「行くでしょう。あの二人なら」
皆顔を合わせて、微笑む。あの二人の今後は明るい
それはそれとして
『オビ』
「ん?」
『君、さっき白雪の手を握ろうとしたよね?』
ミツヒデと木々に聞こえないぐらいの声で、オビに話しかける
「……なんであんたには見えてるんですか」
『目がいいからね。見えちゃったんだよ』
「別に、手を繋ぎたいとか思ったわけじゃなくてですね」
『君の言い分はいいよ。白雪が魅力的なのは僕が知っているからね』
「いや、人の話聞いてって」
オビは僕の腕を掴んで、話を止める
近くで見れば見るほど澄んだ瞳の色をしている
「お姉さん、勘違いしてるけど俺はお嬢さんに気があるわけじゃないよ」
『嘘つかなくても』
「俺が好きなのはね」
その澄んだ瞳が細められる
視線は僕のままだ
「あんただよ。サクさん」
「え」
「おや」
『は……?』
聞き間違いであるなら誰か教えてくれ
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つねさん(プロフ) - 1話目で菱田さん！！！！って叫びました。この作品好きすぎて辛いです涙出てきました応援してます！！！ (2016年7月29日 23時) (
レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか♪ - おもしろいです！ (2016年5月6日 23時) (レス) id: 16d26bbe18 (このIDを非表示/違反報告)
ノンナ(プロフ) - めいこいですね！わかります！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 62b81bdc65 (このIDを非表示/違反報告)
梛(プロフ) - 凄く面白いです！！主人公ちゃん可愛いですね！これからも楽しみにしています。頑張ってください！ (2016年2月17日 0時) (レス) id: 63f277ad3e (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 零雨さん» コメントありがとうございます。誤字指定ありがとうございます!確かにおかしかったですね(笑) (2016年2月12日 21時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月26日 18時
