四枚目 ページ6
(あぁ面倒だ)
まさかブレッカ子爵が見張り台に共に来るとは
『不愉快だね』
「お姉さん、口を謹んで」
『僕は白雪と王子との進展があったのか聞きたかったのに、それをあの子爵に邪魔されるなんて心外だ』
「……お姉さんって怖いもの知らずだねぇ」
白雪と子爵は見張り台の上にいる
僕とオビ、兵士は外でそろそろ来る鳥探しだ
『……!』
微かに、白雪の声が聞こえる
『何してるんだ、あの白ひげ子爵…』
ぽちゃんと、湖に何かが落ちた音も同時に耳に入る
『オビ、上を見て来てくれ』
「?確かに騒がしいね。ちょっと見てくるよ」
オビは見張り台の中へと入っていく
多分だけど、湖に何かが落ちた音は白雪が持っていた鈴だ
このままでは、この提案が白紙になってしまう。それだけは避けたい
『兵士のお二人様、今からすることは内緒にしていてくれ』
「え、サクさん!?」
カーディガンを脱ぎ捨ててワンピースだけになり、湖に飛び込むために数歩下がる
同時に白雪の声が聞こえる
「この見張り台より低いってーの!」
『イケメンか?』
思わず率直な感想が飛び出た
バシャンと白雪が湖に飛び込む。僕もそれに続く
『白雪!』
「サク!!聞いて、鈴が湖に!!」
『分かってる。僕も探すよ』
「お嬢さん!!」
続けてオビも飛び込んだ
「っは…なんて真似してんだあんた!…って、お姉さんまで!」
「湖に鈴が落ちたの!」
『早く探さないとポポが降りてこなくなる…全く。子爵は怖い者知らずか?』
ゼン王子の怒りを買うと怖いのに
それはそれとして、手分けして湖に潜って鈴を探す
潜水には慣れているからそれなりに息は続く
(……島の鳥は胡桃石の音を水の中でも聞き取れると聞いたことがある…うまく行けば、ポポが見つけてくれる可能性もある)
すると、白雪がある一点に向けて泳いでいく
そこには光る鈴があった
『っは…!どうやら見つかったみたいだね』
「お姉さん、あんた無茶しすぎでしょ」
『それは白雪に言う言葉だよ。僕は普通に飛び込んだんだから』
一足先に、陸に上がり服を絞る
何はともあれ一件落着だ
『ブレッカ子爵、随分と素行が目立ったね?』
「ぐっ…」
『この件は、上に報告させてもらうよ』
「小娘の分際で、何が出来ると…!」
『さぁ?それは報告してからのお楽しみだ』
フワリと肩に何かがかかる
私が脱いだカーディガンだ
「風邪ひきますよ?お姉さん」
『どうせなら白雪にかけてあげてよ。気が利かないな』
「えぇぇ…」
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つねさん(プロフ) - 1話目で菱田さん！！！！って叫びました。この作品好きすぎて辛いです涙出てきました応援してます！！！ (2016年7月29日 23時) (
レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか♪ - おもしろいです！ (2016年5月6日 23時) (レス) id: 16d26bbe18 (このIDを非表示/違反報告)
ノンナ(プロフ) - めいこいですね！わかります！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 62b81bdc65 (このIDを非表示/違反報告)
梛(プロフ) - 凄く面白いです！！主人公ちゃん可愛いですね！これからも楽しみにしています。頑張ってください！ (2016年2月17日 0時) (レス) id: 63f277ad3e (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 零雨さん» コメントありがとうございます。誤字指定ありがとうございます!確かにおかしかったですね(笑) (2016年2月12日 21時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月26日 18時
